概要
長年逆アセンブル&デバッガソフトとして多くの解析者に愛用されており、マルウェア解析に活用できる IDA の無料版である IDA Free の入手〜有効化の手順が、IDA 9.0 以降変更になりました。
大きな流れは以下の通りです。
- My Hex-rays にログインして、IDA Freeの注文を行う(無料)。
- ライセンスの有効化を行う。また、ライセンスキーを適切なディレクトリに保存。
- インストール用ソフトウェアをダウンロードする。
- インストール用ソフトウェアを実行して、インストールする。
※2と3は逆でも可。
以降、上記の流れを詳しく見ていきます。
手順
※手順7以降の手順は、有料のIDAを購入した場合でも同様に必要な手続きです。
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- まずはIDA Freeの注文(無料)を行います。
My Hex-rays にログインします。現時点でアカウントがない方も、登録画面はないので、メールアドレスを入力してそのまま「Sign in」をクリックします。
- メールに認証コードが届くので、それを入力します。
- 「Download center」のタブを選択して「Get IDA Free」をクリックします。
- 「Add Item」をクリックして「Product offering」の部分で「IDA Free」を選択します。
- 「Billing Information」の部分で各種情報を入力します。
また、EULA(エンドユーザーライセンス契約)などを確認した上で、以下にチェックを入れて「Order」をクリックします。
“By confirming the order, I confirm I have read and agree to the following: Hex-Rays Terms & Conditions, EULA and Privacy policy.”(注文を確定することで、Hex-Raysの利用規約、エンドユーザーライセンス契約、およびプライバシーポリシーを読み、同意したものとみなされます)
なお、ここで「Subscription duration」を「3 years」にしておけば、3年間はソフトウェアを利用可能です。 - 注文(無料)が完了しますので、内容を確認して「My account」をクリックします。
- これから、ライセンスの有効化を行います。
先ほど注文した IDA Free の「Status」が「Pending Activation」になっています。これをアクティベーション(有効化)する必要があるので、「Actions」のカラムの3点リーダーをクリックします。
- 「Activate your license」という画面が表示されるので、ラベル(任意)とメールアドレスを入力して「Assign」をクリックします。
※IDA Free の場合、デコンパイラはデフォルトで2つ(クラウドベースのx86 Decompilerとx64 Decompiler)選択されている状態です。
- 「Status」が「Active」に変わり、また割当先(Assigned to)とラベル(Label)のカラムに値が入っているのを確認することができます。また、Decompilerも2つ付属しています。
この状態で、「Actions」のカラムの3点リーダーをクリックして「Download License Key」をクリックします。
- ライセンスキー(.hexlic ファイル)がダウンロードされるので、それを以下のディレクトリに配置します。
- %APPDATA%\Hex-Rays\Ida Pro (※Windowsの場合)
- $HOME/.idapro (※macOSの場合)
- 次はインストール用ソフトウェアをダウンロードします。
「Download center」タブを選択し、バージョンを確認し、「IDA Free Windows」など、お使いの環境に応じたソフトウェアを選択してダウンロードします。
- 上記でダウンロードが完了すると、次は、ソフトウェアのインストールです。基本的には、流れるように進みますので、内容を確認しながらインストールを完了させます。
- 以上でインストールが完了し、IDA Freeを利用できる状態になりました。ぜひご活用ください!
- まずはIDA Freeの注文(無料)を行います。
IDA Free の制約事項
IDA Freeご利用にあたっては、以下の制約事項にご留意ください。
- 商用利用はできません。商用利用のためには、IDA Pro が必要です。
- IDA C++ SDK や IDAPython API はご利用いただけません。これらを利用するには IDA Home または IDA Pro が必要です。
- アセンブリ言語をCライクな高級言語に変換するための Decompiler は、クラウドベースのx86とx64用のみ付属しています。ローカルで動作するDecompiler をご希望の場合は IDA Pro が必要です。クラウドベースで動作する Decompiler でも良い場合は、IDA Home の選択肢もあります。ただし、種類が限定的かつ商用利用不可です。