Maltego概要
各種変更について
2024年6月1日よりライセンス体系が変更になり、Maltego Pro と Maltego Enterprise の新規販売は終了し、新たに Maltego Professional Plan と Maltego Organization Plan の販売を開始します。2024年中は、Maltego Pro と Maltego Enterprise のライセンス更新は可能です。また、学習プラットフォーム Spark / Spark PREMIUMは、Maltego Academyとしてリニューアルしました。詳細は以下ページをご参考ください。
https://anchor-u.com/maltego-new-plan-release/
2024年9月1日以降販売分については、Maltego Organization Plan のメーカー販売価格が上昇します。詳細は以下の記事をご参照ください。
https://anchor-u.com/maltego-professional-plan-price-increase-2024/
2024年8月30日、Maltego で利用可能なアプリケーション「Maltego Graph」の最新版 v4.8.0 がリリースされました。詳細は以下の記事をご参照ください。
https://anchor-u.com/maltego-graph-v480-release/
Maltegoとは?
弊社アンカーテクノロジーズ株式会社は、Maltego(マルテゴ)の公式販売代理店です。
Maltegoは、オープンソース・インテリジェンス(OSINT)およびグラフィカル相関分析のためのツールであり、様々な調査のために情報を収集し、それらを関連付けることができます。
多種多様なデータソースから重要なデータを簡単に抽出し、1つのグラフに自動的に統合し、視覚的にマッピングして、事案の全容を解明することができます。
Maltegoは、企業のCSIRTメンバーとして勤務する分析官や、研究者、法執行機関の捜査員の方々などに広く利用されています。CipherTrace や Constella Intelligence といったソリューションのデータなどを活用して暗号資産の追跡調査を行うことも可能です。
DNSレコード、whoisレコード、検索エンジン、ソーシャルネットワーク、さまざまなオンラインAPIなどのソースにクエリを発行し、メタデータを抽出することにより、オープンソースインテリジェンス(OSINT)技術を使用して、以下をはじめとする情報のつながりを可視化し分析することが可能です。
- 人物
- 名前
- メールアドレス
- 別名
- 人々のグループ(ソーシャルネットワーク)
- 企業
- 組織
- ウェブサイト
- インターネットインフラ
- ドメイン
- DNS名
- ネットブロック
- IPアドレス
- 所属
- 書類・ファイル
Maltegoは、情報のクラスタリングを可能にするさまざまなグラフィカル・レイアウトで結果を提供するため、関係を即座に正確に見ることができます。
2024年5月までは以下の4種類のライセンスが提供されておりましたが、2024年6月以降は期間限定で更新のみ可能です。Maltego Communityは、機能制限があるものの引き続き無償でご利用いただけます。
- Maltego Community (Maltego CE)
- Maltego Pro
- Maltego Enterprise
- Maltego Enterprise On-Premise
2024年6月以降は、以下の2種類のライセンスが購入可能です。
- Maltego Professional Plan:個人や比較的小さなチーム向けライセンスで、1つの注文あたり5ユーザー分が契約可能です。
- Maltego Organization Plan:政府機関や比較的大きなチーム向けライセンスで、5ユーザー単位で契約可能です。
各プランに含まれるツール・データソース・サービス
Maltego Professional Plan と Maltego Organization Plan のプランでは、後述のツール・データソース・サービスのすべて又は一部が利用可能です。Maltego Graph における一部のTransformと Maltego Search は、あらかじめ付与されたクレジットを消費する形で利用することが可能です。クレジットの消費量は利用するデータソースによって異なります。Maltego Graphでは50〜100クレジットを消費、Maltego Searchでは100〜500クレジットを消費します。クレジットの詳細は、以下のページで説明しております。
ツール
- Maltego Graph (旧 Maltego Enterprise): ネットワーク分析や情報の可視化に使用される主要ツール。ユーザーはデータをグラフ形式で視覚化し、複雑な関連性を解析することが可能。情報を時系列や地理的な位置に沿って整理することに長ける。Namedライセンスとして提供。
- Maltego Search (旧 OSINT Profiler): 高度なスキルを持たない調査員向けのツール。ブラウザベースのインターフェイスを介してシンプルな検索機能を使って迅速なOSINT調査を行うことが可能。事件の関係者のプロファイルを 簡単かつ迅速に作成できる。組織内のユーザーであれば誰でも利用可能。
- Maltego Monitor (旧 PublicSonar): ソーシャルメディア、ニュース、ブログなどからの情報を自動的に集約し、事件につながる可能性のあるものをリアルタイムに監視する。AIを活用した感情分析も行うことができ、状況をリアルタイムかつ効果的に評価する。Namedライセンスとして提供。
- Maltego Evidence (旧 Social Network Harvester): ソーシャルメディアからの情報収集や証拠保存を行う。裁判に使える形式で情報を整理することが可能。調査者が自分の身元を隠しながら情報を収集できる。Namedライセンスとして提供。
- Maltego Cases: すべての調査結果を1か所に整理および保存し、チーム内での共同作業を効率化するためのツール。複数の調査者が同じケース上で情報を共有・更新することが可能。組織内のユーザーであれば誰でも利用可能。
- Maltego Admin: チームのMaltego使用状況を監査・分析するための管理ポータル。利用状況の監視やユーザー管理が可能。
データソース
- Maltego Data (旧Maltego Data Pass): 200ものソーシャルメディアプラットフォームと1TBの流出データをカバーする50以上のベンダー及びパブリックデータソースへのアクセスを可能にし、Maltego Graphの調査能力を強化します。
- Connectors: 外部データソースやツールに連携する100個以上の既製コネクタ。
- Connector Builder: 独自のコネクタを作成するツール。規制コネクタが用意されていない外部データソースなどと連携するために利用する。
サービス
- Maltego Academy: 各種オンデマンドコースの受講やウェビナーの視聴が可能。
- Custom Services: 専任のカスタマーサクセスマネージャーによる伴走支援、各種規約のカスタマイズへの対応、カスタムトレーニング、カスタムエンジニアリング、アドバイザリーサービス、オンプレミス導入支援などが利用可能。
ライセンス比較
新プランの比較表
Maltego Professional Plan と Maltego Organization Plan は両方とも、従来のMaltego Enterpriseの機能をすべてご利用いただけます。
※Basic Plan は正式リリースがまだのため、表中における記載は暫定値です。
※価格は、2024年9月1日以降のメーカー希望小売価格です。
Basic Plan(※) | Professional Plan | Organization Plan | |
---|---|---|---|
価格 | |||
基本価格 | 無料 | 年間5,000 USD/ユーザー | 55,000 USD/5ユーザー |
(オプション)Maltego Evidence – Faster Data Add-on | - | - | 年間25,000 USD/5ユーザー |
(オプション)Maltego Evidence – Collaboration Add-on | - | - | 年間75,000 USD/5ユーザー |
(オプション)Maltego Monitor – Full Service Add-on | - | - | 年間75,000 USD (ユーザー数無制限) |
(オプション)カスタムサービス | - | - | 依頼に応じて見積もり |
利用可能ユーザー数・クレジット数 | |||
利用可能ユーザー数 | 1ユーザー | 1ユーザー (1ユーザーごとに、最大5ユーザーまで契約可能) | 5ユーザー (5ユーザーごとに追加可能) |
付与されるクレジット数 | 月間2,000クレジット | 月間20,000クレジット/ユーザー | 月間250,000クレジット/5ユーザー |
利用可能なツール | |||
Maltego Graph (Named ライセンス) | |||
Maltego Cases (利用ユーザーの制限なし) | 制限あり | ||
Maltego Search (利用ユーザーの制限なし) | |||
Maltego Evidence (Named ライセンス) | |||
Maltego Monitor (Named ライセンス) | |||
Maltego Admin | ユーザー招待のみ | 制限あり | |
利用可能なデータソース | |||
Maltego Data | |||
Connectors | 制限あり | ||
Connector Builder | |||
利用可能なサービス | |||
Maltego Academy | |||
カスタムサービス |
Maltego Evidence のアドオンの価格と機能の比較表
利用規模などに応じて、アドオンを契約することで Maltego Evidence の機能を拡充することが可能です。
標準(アドオンなし) | Faster Data Add-on | Collaboration Add-on | |
---|---|---|---|
旧製品名称 | Social Network Harvester Titan Desktop | Social Network Harvester Titan Desktop+ | Social Network Harvester Titan Enterprise |
価格 | - | 25,000 USD/5ユーザー | 75,000 USD |
利用可能ユーザー数 | 5ユーザー(追加可能) | 5ユーザー(追加可能) | 無制限 |
Runner(クローラー)の数 | 1(データ取得速度低速) | 3(データ取得速度高速) | 無制限 |
Maltego Monitor のアドオンの価格と機能の比較表
利用規模などに応じて、アドオンを契約することで Maltego Monitor の機能を拡充することが可能です。
標準(アドオンなし) | Full service Add-on | |
---|---|---|
価格 | - | 75,000 USD/5ユーザー |
利用可能ユーザー数 | 5ユーザー(追加可能) | 5ユーザー(追加可能) |
Xの取得可能メッセージ数 | 30,000 メッセージ/月 | 1,000,000 メッセージ/月 |
高度なソース | 高度なソース (Instagram, Facebook を除く) | 高度なソース (Instagram, Facebook を含む) |
身元確認機能 | 20 検索/月 | 500 検索/月 |
画像分析機能 | ||
動画文字起こし |
なお価格は1年間当たりの価格です。
※弊社からの販売は日本円のみになり、弊社販売価格はこれら米ドル価格に120〜180円を乗じた価格となります。
為替レートとユーザー数によって変動しますので、詳しくはお問い合わせください。
価格
Maltegoはユーザーライセンスであり、原則として1ユーザーにつき1ライセンスご購入いただく必要がございます。
ただし、Maltego Search と Maltego Cases はこの限りではなく、任意のユーザーが利用可能です。
以下は、Maltegoの1年間あたりの各ライセンスの利用費用です。
※弊社からの販売は日本円のみになり、弊社販売価格はこれら米ドル価格に120〜180円を乗じた価格となります。
為替レートとユーザー数によって変動しますので、詳しくはお問い合わせください。
旧ライセンス(2024年6月以降は、期間限定で更新のみ可)
- Maltego Pro:1,099 USD/ユーザー
- Maltego Enterprise:3,299 USD/ユーザー
新ライセンス
- ライセンス比較を参照
各種ツールとツールトレーニング
主要ツール:Maltego Graph/Maltego Search
- Maltego Graph は、従来の Maltego Enteprise と Data Pass(契約クレジットを消費することにより、有償のTransformの利用が可能なライセンス)を組み合わせてリニューアルしたソフトウェアです。クレジットの消費量は、利用するTransformによって異なります。
- Maltego Search は、従来 OSINT Profiler として提供されていたソフトウェアです。ウェブブラウザにより、PC・タブレット・スマートフォンなどから利用することが可能で、高度な製品知識を持たない一般職員にでも利用しやすい設計となっております。Maltego Graph とは異なり、利用可能ユーザー数は無制限です。ただしクレジット消費数には注意が必要です。
2024年5月時点では、以下のデータソースが利用可能です。
学習プラットフォーム:Maltego Academy
Maltego Academy は、Maltegoについて学習することができるプラットフォームです。以下の学習コンテンツが用意されています。
- テキスト、画像、動画、ミニテストなどから構成され、好きなタイミングで好きな学習ペースで進められるオンデマンドコース
- ライブまたはアーカイブにより視聴することのできるセミナー動画(1時間または3時間)
セミナー動画(3時間)の例
なお無料版のMaltego CEを利用するユーザーでも、Maltego Academyの一部コンテンツは視聴可能ですが、全てのコンテンツにアクセスするには Maltego Enterprise / Maltego Professional Plan / Maltego Organization Plan のいずれかの契約が必要です。
オンサイトトレーニングコース
Maltegoのオンサイトトレーニングのコースとしては、全2日間のオンサイトコースがあります。
多種多様なデータソース
Maltegoは、サイバーセキュリティやデジタルフォレンジック、情報収集において強力なツールであり、その主要な特徴の一つが多種多様なデータソースにアクセスできる点にあります。MaltegoのData Hub(旧Transform Hub)を利用することで、必要なデータソースにアクセスするためのTransformを簡単に入手できます。
Transformを使うことで、複数の外部データソースから取得した情報をグラフに統合し、データ間の関係性を視覚的に分析することができます。
Data Hubについては以下の弊社記事もご覧ください。
Data Hub
Data Hubには、さまざまな種類のTransformが用意されており、ユーザーは自身のニーズに応じて適切なTransformを選択することができます。以下に、Data Hubで提供されているTransformの種類を紹介します。
- 無料、実行回数に制限あり
- 無料、実行回数に制限なし
- 無料、APIの設定が必要: 一部の無料Transformは、使用前にAPIの設定が必要です。外部サービスのAPIキーを設定することで、データにアクセスできます。
- データサブスクリプション: 月額制のサブスクリプションです。
- Bring Your Own Key: データソースと個別契約し、APIキーを設定することでTransformが使用できます。
Data Hubでは、VirusTotal, Censys, PassiveTotal, Shodan, DomainToolsなど、合計で100種類以上のコネクタを利用することができます。これらのデータソースは、サイバーセキュリティの分析、脅威インテリジェンスの収集、そしてデジタルフォレンジックの調査において非常に役立ちます。
各データソースによって利用条件や価格が異なるため、詳細についてはお気軽にお問い合わせください。対応するサービスの一覧や価格の詳細についてもご確認いただけます。
Standard Transforms
Data Hubでは、Standard Transformsという無償のTransformも利用可能です。Standard Transformsは、Maltegoが提供する基本的なTransformのセットであり、すべてのプランで利用することができます。DNSサーバ、検索エンジン、SNS、各種APIなど、インターネット上の150種以上の各種データソースからOSINTを収集することができます。
代表的なStandard Transforms
- BuiltWith Transforms
- Webサイトが構築されている現在および過去の技術を提供します。これにより、ウェブサイト間の関係を発見し、それらがどのように関連しているかの詳細や、関係の期間(IPやトラッキングコードなど)を調査することができます。
- IPQualityScore (IPQS) Transforms
- IPQS APIのうち、以下の3つと接続します。電子メールアドレスや電話番号の検証や不正チェック、疑わしいIPアドレスの特定を行うことができます。
- Email Verification and Reputation API
- Proxy & VPN Detection API
- Phone Number Validation API
- IPQS APIのうち、以下の3つと接続します。電子メールアドレスや電話番号の検証や不正チェック、疑わしいIPアドレスの特定を行うことができます。
- Wayback Machine Transforms
- 何千億ものウェブサイトのスナップショットやアーカイブされたコンテンツを、何年もさかのぼって閲覧することができます。これにより、削除されたページ、隠しファイル、変更されたコンテンツなどを発見することができます。
- WhoisXML Transforms
- インフラのフットプリントをサポートします。これにより、AS番号、ドメイン、企業、ネットブロック、IPアドレス間の関係を調査することができます。
- Wikipedia-EN Transforms
- どのユーザー、IP、ネットブロックがWikipediaのページを編集したのか、またその編集内容は何なのかを特定することができます。故意による誤情報の流布を発見したり、インターネットインフラ情報を充実させるのに有効です。
クライアント側の要件
ソフトウェア要件
- OS: Windows、macOS、Linux
※それぞれのOSに対応するソフトウェアは、ダウンロードページにおいて入手可能。 - Java: JRE 8 / 11 / 17 (64 bit)
※OpenJDKも可だが、Oracle JREを推奨。
ハードウェア要件
最小要件
- メモリ (RAM): 4GB
- CPU: Intel core i3
- インターネット速度: 10Mbps
- 画面解像度: 720p
推奨要件
- メモリ (RAM): 16GB以上
- CPU: Intel core i7以上
- インターネット速度: 20Mbps以上
- 画面解像度: 1080p以上
※大規模なグラフを扱う場合は、極力多くのメモリとCPUが推奨です。インターネット接続が高速であればあるほど、Transformの実行がスムーズになります。
ネットワーク要件
以下のドメインと接続可能であることが必要です。
- *.paterva.com
- *.maltego.com
- *.txs.maltego.com
具体的には、以下のサーバー・ポートとの接続が必要です。
ドメイン | サーバー | ポート |
---|---|---|
*.paterva.com | https://bark.paterva.com | 5222 |
https://ceintegration.paterva.com | 443 | |
https://dolores.paterva.com | 443 | |
https://errors.paterva.com | 443 | |
https://mupdates.paterva.com | 443 | |
https://public-tds.paterva.com | 443 | |
https://redirect.paterva.com | 443 | |
https://start-page.paterva.com | 443 | |
*.maltego.com | https://bark.maltego.com | 5222 |
https://dolores.maltego.com | 443 | |
https://redirect.maltego.com | 443 | |
*.txs.maltego.com | https://errors.txs.maltego.com | 443 |
https://zed.txs.maltego.com | 443 |
Maltego Data hub (旧Transform Hub) からインストールされるサードパーティ製のTransformは、それぞれの独自のTDS (Transform Distribution Server) に接続する必要があります。この場合も443ポートでの接続が必要です。
FAQ
- インストール先のPCを変更したい場合、どうすれば良いですか?
- 教育機関向けのアカデミックライセンスはありますか?
- Maltegoに自社のデータソースを取り込むことはできますか?
- M1 MacでMaltegoをインストールしましたが起動しません。なぜですか。