【活用実例】Maltego Monitorによる2024年アメリカ大統領選でのフェイクニュース追跡

                 
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           目次
  1. Maltego Monitorとは？
  2. 2024年アメリカ大統領選挙の分析
    1. キーワード設定
    2. フェイクニュースサイトの特徴
    3. フェイクニュースの拡散がBotによるものか調べる
  3. まとめ

Maltego Monitorとは？

本記事では、Maltego に含まれる Maltego Monitor について、2024年のアメリカ大統領選挙を例に挙げながら使用例をご紹介します。Maltego Monitor は、ソーシャルメディア上の情報操作や偽情報キャンペーンを追跡・分析するための強力なツールで、Maltego の新プランリニューアルで追加された、ソーシャルメディア、ニュースサイト、フォーラム、動画プラットフォームなど、様々なオンラインソースからのデータを収集・分析できるツールです。公共の安全や国家安全保障に関わる脅威を早期に検出し、危機対応を支援するために設計されています。

Maltego Monitorは、以下のような目的で利用できます。

  • 偽情報キャンペーンの追跡: 偽のニュースサイトやソーシャルメディアアカウントによる情報操作を特定

  • テロ活動の監視: オンライン上での過激派の活動を追跡

  • 緊急事態への対応: 災害や事件に関する情報を収集し、迅速な対応を支援

Maltego Monitorは、Maltego Organization Planのプランの契約でご利用いただけます。Maltegoの実例解説については、以下のブログもご覧ください。

【Maltego活用実例】メールアドレスを起点にした人物情報の深掘り

2024年アメリカ大統領選挙の分析

今回の記事では、2024年アメリカ大統領選挙をテーマに、Maltego Monitorの具体的な活用方法を解説します。2024年のアメリカ大統領選挙では、SNS上で陰謀論やフェイクニュースが広く拡散されましたが、その多くはBotアカウントによるものでした。Maltego MonitorやMaltego Graphを利用して、Botアカウント間の繋がりやその運営者を特定することができます。Maltego MonitorはMaltego Graphで詳細な調査をするための情報収集ツールとして活用することができます。

 

キーワード設定

まず、分析対象となるキーワードを設定します。今回は、以下のキーワードを使用しました。

  • 候補者: Trump, Harris, Biden, Vance

  • 選挙関連: 2020 for election, presidential election

検索するワードを設定

 

これらのキーワードに加えて、過去にフェイクニュースの発信源として確認された「Daily Boulder」や「News Globe」といったサイトも監視対象に含めます。

フェイクニュースサイトの特徴

「Daily Boulder」や「News Globe」のような偽情報サイトは、以下のような特徴があります。

  • 誇張された見出し: 人々の関心を引くために、事実を誇張した見出しを多用

  • AI生成コンテンツ: 人間が書いたように見えるAI生成コンテンツを使用

  • 連絡先や運営者の情報が不明: 「お問い合わせ」や「運営者情報」がない

  • 広告だらけのサイト: ページ内に大量の広告を掲載し、クリック数を稼ぐ

フェイクニュースサイトの例：誇張された見出し

フェイクニュースサイトの例：連絡先や運営者の情報が不明

フェイクニュースの拡散がBotによるものか調べる

フェイクニュースの拡散には、主にBotが使用されます。Botによるフェイクニュース拡散は自動化されていることが多く、投稿の内容も全く同じ、もしくはメッセージに若干の差異が見られる（例：大文字の使い分け）ものが大量に発生するという特徴があります。

Maltego Monitorでは、特定の記事を拡散しているBotネットワークを見つけるため、以下をはじめとする調査を行うことができます。

  1. 類似ツイートの特定: 同じ記事へのリンクを共有している複数のツイートを特定

  2. ツイートの分析: 各ツイートの微妙な違いを分析

  3. パターン分析: ツイートの拡散が組織的に行われているかどうかを判断

Botによる投稿の例。ほぼ同じ内容の投稿が複数のアカウントによって行われている。

ここでは、複数のキーワードで検索した結果、ほぼ同じ文言の投稿をしているBotを見つけることができました。これらの結果をCSV形式で出力し、Maltego Graphでより詳細な調査をおこなうことができます。

Maltego Monitorでの調査結果をCSV形式で出力

 

Maltego Graphでは、これらの情報から以下のような調査を行うことができます。

  • 運営者の特定: Webサイトの運営者情報（連絡先、Whois情報）を調査
  • トラッキングIDの調査: Google AnalyticsのトラッキングIDなどを特定
  • 画像のリバース検索: 記事で使用されている画像を調査
  • フォロー関係の調査: 相互にフォローしているアカウントを特定
  • アカウントの繋がり: ボットネットの広がりを把握

まとめ

今回の記事では、2024年のアメリカ大統領選挙を例にとり、Maltego Monitorを使って偽情報キャンペーンを追跡・分析するための具体的な分析手順を紹介しました。

Maltego Monitorを活用することで、ソーシャルメディア上の情報操作や偽情報キャンペーンを早期に検出し、適切な対応を取ることができます。Maltego Monitorの導入をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

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