Burp Suite概要
Burp Suite は、Webアプリケーションの脆弱性診断を行うための統合プラットフォームです。開発元のPortSwigger社は英国の企業で、脆弱性研究チームの PortSwigger Research と、無償の学習環境である Web Security Academy を運営しています。
用途の異なる3つの製品があります。人が手を動かして診断する Burp Suite Professional、多数のアプリケーションを自動でスキャンする Burp Suite DAST、Burp Suite Professional の上で動くエージェント型AIの Burp AT です。このほかに、Burp Suite Professional の無償版にあたる Burp Suite Community Edition があります。
Burp Suite Professional と Burp Suite DAST には、AI機能の Burp AI も組み込まれています。ライセンスの単位も価格の決まり方も、製品ごとに異なります。
製品の構成
| 製品 | 何をするものか | 主に使う人 | AI機能 | ライセンスの単位 |
|---|---|---|---|---|
| 人が手を動かして診断します。手動テストの全機能と、Burp Scanner による自動スキャンを備えます | 診断担当者、ペネトレーションテスター、バグバウンティハンター | 1ユーザーにつき1ライセンス | ||
| 多数のWebアプリケーションを継続的に自動スキャンします | AppSecチーム、開発チーム、CISO・CTO | 組織単位。ユーザー数の上限なし | ||
| タスクを渡すと、自分で計画を立てて調べるエージェント型AIです。Burp Suite Professional に組み込まれていて、画面から開いて使います | Burp Suite Professional の利用者 | — | Burp Suite Professional のライセンスで使いますパブリックベータ※1 | |
| Burp Suite Professional の無償版です。手動診断の基本操作だけができます | これから Burp Suite を学ぶ方 | なし | 無償 |
- ※1 2026年10月時点。Burp Suite Professional の利用者向けに提供されています。チームや組織で使う形(Team、Enterprise)は、メーカーが準備中です。最新の情報はメーカーのページをご確認いただくか、弊社までお問い合わせください。
Burp AI は、Burp Suite Professional と Burp Suite DAST に組み込まれているAI機能の呼び名で、単独の製品ではありません。Burp AT との違いや、使うために必要な契約はAI機能(Burp AI・Burp AT)で扱います。
価格
2026年10月時点の目安です。いずれも米ドル建てのため、ご提供価格は為替と契約条件により変わります。
| 製品・オプション | 価格の目安 | 契約の単位 |
|---|---|---|
| 無償 | ー | |
| 年間499ドル | 1ユーザーにつき1ライセンス | |
| およそ2万ドルから 最小構成の場合※1 |
組織単位。ユーザー数の上限なし | |
| パブリックベータ Burp Suite Professional の利用者は、毎月一定量まで無償で使えます。超えた分は AI Credits から差し引かれ、AI Subscription では公正利用の範囲で含まれます |
Burp Suite Professional の利用者ごと | |
| 1万クレジットあたり5ドル※2 | 利用するご本人が購入 | |
| およそ4万ドルから 含まれる Burp Suite Professional のライセンス数により変わります※3 |
チーム単位。Burp Suite Professional のライセンスを含みます | |
| お見積り | クラウド版の Burp Suite DAST で契約できます |
- ※1 最小構成とは、スキャン対象のFQDNが5以下、同時に実行するスキャンが1、APIスキャンの対象エンドポイントが50までの場合を指します。これを超える場合は、スキャン対象のFQDNの数、スキャンの頻度と同時に実行するスキャンの数、APIスキャンの要否と対象の数、CI/CDパイプラインへの組み込みの有無(組み込む場合は開発者の人数)の組み合わせで決まります。メーカーは Burp Suite DAST の価格を公開していません。要件をお聞きしたうえで、都度お見積りいたします。
- ※2 弊社がメーカーに確認した価格です。
- ※3 構成ごとの目安はAIの契約に掲載しています。
どの製品を選ぶか
目的から逆算すると、迷う場面はほとんどありません。
- これから触ってみたいBurp Suite Community Edition から始めてください。無償で、手動診断の基本操作は一通りできます。
- 診断業務で日常的に使うBurp Suite Professional です。Burp Scanner と作業内容の保存が使えないと、業務では成立しません。
- 診断の手数を増やしたい、検証を速くしたいBurp Suite Professional で Burp AI と Burp AT を使います。作業中のツールで手を借りるなら Burp AI、タスクを任せて調べさせるなら Burp AT です。契約方法はAIの契約をご覧ください。
- 数十から数千のアプリケーションを定期的にスキャンしたいBurp Suite DAST です。Burp Suite Professional を人数分そろえても、この用途は満たせません。
- 開発パイプラインの中でスキャンを回したいBurp Suite DAST です。Burp Suite Professional は、ライセンス上CI/CDパイプラインでの利用が認められていません。
- 自動スキャンの結果の確認を速くしたいBurp Suite DAST の Burp AI です。スキャンで見つかったIssueが本当に悪用できるかをAIが確かめ、再現手順を付けます。
製品は組み合わせて使えます。3つの層があると考えると整理しやすくなります。
- 広く、浅く、継続的にBurp Suite DAST で、保有するWebアプリケーション全体を定期的にスキャンします。リリースのたびに人が手を動かすのは現実的ではないため、ここは自動化します。
- 狭く、深く、人の手で重要度の高いアプリケーションや、自動スキャンが苦手とする業務ロジックの不備は、Burp Suite Professional で人が調べます。
- 人の手の速度を上げるBurp AI と Burp AT で、繰り返しの作業と検証にかかる時間を短縮します。Burp Suite DAST の Burp AI は、自動スキャンで見つかったIssueの確認を助けます。空いた時間を判断に回す、という考え方です。
導入の順序は2通りあります。Burp Suite Professional から始めて自動化の範囲を広げていく進め方と、Burp Suite DAST で全体を可視化してから重点箇所を手動で掘る進め方です。どちらが適しているかは現在の診断体制によって変わりますので、ご相談ください。
Burp Suite Professional
手動診断を業務として行う場合の、事実上の標準です。Community Edition のすべての機能に加えて、Burp Scanner による自動スキャン、プロジェクトファイルの保存、Burp Collaborator、専用の拡張機能が使えます。
今後の開発予定は、メーカーのロードマップで公開されています。
中心になる3つのツール
搭載されているツールは多数ありますが、診断中に手が伸びるのは実質この3つです。
- Burp Proxy|すべての起点ブラウザと対象アプリケーションの間に入り、行き交う通信をそのまま捕捉します。止めて中身を書き換えてから流す、という操作ができます。ここで拾った通信が、他のすべてのツールの入力になります。HTTPSにも対応します。
- Burp Repeater|仮説を確かめる1つのリクエストを手で書き換えて、何度でも送り直します。パラメータを1文字変えるとレスポンスがどう変わるかを見る、という地道な作業を高速に回すためのツールです。脆弱性があるかないかは、最後はここで決まります。
- Burp Scanner|自動で洗い出すサイトをクロールして機能を洗い出し、脆弱性を自動検出します。認証情報を与えれば制限領域も検査でき、シングルサインオンのような複雑なログインにも対応します。OpenAPI・GraphQL・SOAPのAPI定義を読み込んだスキャンも行えます。Community Edition と Burp Suite Professional を分ける、最大の機能です。
残りは、この3つを補助するツールです。
| ツール | できること |
|---|---|
| Burp Intruder | パラメータに大量の値を差し込む自動攻撃を組み立てます。総当たりや網羅的なファジングに使います |
| Burp Collaborator | 対象から外部への通信を受け止め、レスポンスだけでは分からない脆弱性を検出します。公開サーバーと、自社で構築するプライベートサーバーの両方が使えます |
| DOM Invader | ブラウザ側で DOM XSS、Webメッセージ、プロトタイプ汚染を調べます |
| Burp Sequencer | セッショントークンやCSRFトークンの乱数性を分析し、予測が可能でないかを確かめます |
| Burp Decoder・Burp Comparer | エンコードとデコード、2つのデータの差分表示 |
| Burp Logger | Burp Suite が送信したすべてのHTTP通信を記録し、後から追跡します |
| Burp Organizer | 気になった通信を集めておき、後から見返します |
| BApp Store | 300を超える拡張機能を導入できます。250名を超える作者が公開しています |
| Bambdas・BChecks | 独自のフィルタや検査ロジックを記述し、動作を自分の手順に合わせます |
動画で見る:Burp Proxy で通信を捕捉する(英語・約2分)
メーカーが公開している動画です。Burp Proxy のIntercept画面で、捕捉したリクエストとレスポンスを一覧で確かめ、書き換えてから送り出す操作が見られます。
動画で見る:認証が必要なAPIをスキャンする(英語・約1分)
メーカーが公開している動画です。API定義を読み込んで Burp Scanner でスキャンするときに、定義から見つかった認証の方式ごとに認証情報を設定する手順が見られます。
動画で見る:Burp Intruder で攻撃を組み立てる(英語・約1分)
メーカーが公開している動画です。Burp Intruder の画面で、値を差し込む位置とペイロードを設定して攻撃を組み立てる操作が見られます。
無償版(Community Edition)との違い
Burp Suite Community Edition は、Burp Suite Professional の無償版です。Burp Proxy で通信を捕捉し、Burp Repeater で手を加えて送り直し、Burp Decoder や Burp Comparer で中身を確かめる、という手動診断の基本操作は Community Edition だけで一通りできます。メーカーのダウンロードページから入手できます。
| 機能 | ||
|---|---|---|
| Burp Proxy | ||
| Burp Repeater | ||
| Burp Decoder・Burp Comparer・Burp Sequencer | ||
| Burp Intruder | デモ版。試行速度に制限があります | |
| Burp Scanner(自動スキャン) | ||
| コンテンツの自動探索 | ||
| Burp Collaborator | ||
| プロジェクトファイルの保存 | ||
| 検索 | ||
| BApp(拡張機能) | 一部は利用できません | |
| AI Credits または AI Subscription が別途必要です |
||
| 毎月一定量まで無償。超えた分は AI Credits または AI Subscription |
||
| 価格 | 無償 | 年間499ドル |
とくに Burp Scanner と作業内容の保存の2つは、診断業務では大きな違いになります。Burp Scanner がないと、脆弱性の自動検出もコンテンツの自動探索もできず、手作業で1つずつ確かめることになります。プロジェクトファイルがないため、Burp Suite を閉じた時点で、集めた通信も気づいたことも消えます。
「無償だが業務で使ってよいのか」は、よくいただくご質問です。メーカーの利用規約(2026年4月発行版)では、Community Edition は本編ではなく Addendum D(Community Terms)で扱われます。ライセンスは自社の業務目的での利用に対して付与され、その範囲には「業務上のアドバイザリとして行う、クライアント向けの個別コンサルティングサービスの提供」が含まれうる、と書かれています。一方で、Community Edition の再販は明確に禁止されています。販売店向けの Reseller Terms も Community Edition には適用されません。規約は改定されます。判断が必要な場面ではメーカーの利用規約の最新版をご確認いただくか、弊社までご相談ください。
ライセンスの単位と利用範囲
ユーザーライセンスです。1ユーザーにつき1ライセンスを契約します。マシン単位やフローティングといった、他形態のライセンスはありません。
ライセンスキーは契約者(ライセンスホルダー)のアカウントで管理します。2ユーザー分以上を購入した場合は、ライセンスホルダーがアカウントページからメンバーを招待することで、各ユーザーがソフトウェアをダウンロードできるようになります。手順はFAQに記載しています。
Burp Suite Professional は、CI/CDパイプラインに組み込んで使うことができません。これは機能上の制約ではなく、メーカーの利用規約で明示的に禁止されている事項です(2026年4月発行版の第2.3条(e)(iii))。開発パイプラインの中で自動スキャンを回す場合は Burp Suite DAST を使います。
契約期間は1年単位です。複数年での契約にも対応しており、10年契約の実績もあります。
AI機能(Burp AI・Burp AT)
PortSwigger社は、Burp Suite にAIを2つの形で組み込んでいます。作業中のツールの中で診断担当者を補助する
Burp AI と、タスクを渡すと自分で計画を立てて調べる
Burp AT です。設計の方針は共通していて、人が主導し、AIが補助します。AIの出力は判断の材料で、判断そのものではありません。
「AIが勝手にスキャンして結果を出してくれる機能」と受け取られることがありますが、そうではありません。AIが何をしてよいかは、利用者が決めます。Burp AI は呼び出したときか、利用者が有効にした範囲だけで動きます。Burp AT は、利用者が決めたスコープ・使えるツール・承認のルールの中で動きます。
| AI機能 | ||
|---|---|---|
| Explainer、Burp AI in Repeater、Explore Issue、誤検知の削減、ログイン手順の生成、AIを使うカスタムアクションと拡張機能 | スキャン後のIssueの確認(AI-enhanced scanning)、ログイン手順の生成クラウド版のみ | |
| タスクを渡して調べさせるエージェント型AIパブリックベータ | — | |
| — | Claude Code などのAIアシスタントから Burp Suite DAST を操作できますクラウド版・自社ホストとも |
Burp AI でできること
Burp Suite Professional では、作業中のツールの中で呼び出して使います。
- Explainer|その場で調べる見慣れないHTTPヘッダーやCookie、クライアント側のJavaScriptが何をしているのかを、Burp Repeater の中で解説します。1行ずつ読み解いたり、外部の情報源を調べに行ったりする手間がなくなります。
- Burp AI in Repeater|任せて試させるBurp Repeater のタブに指示を書くと、AIが Burp Repeater と Burp Intruder を使って複数の手順で調べます。何を試したかは手順ごとに記録されます。
- Explore Issue|悪用できるかを確かめるBurp Scanner が報告したIssueについて、実際に悪用が可能かをAIが調べます。機微なデータを取り出せるか、別の攻撃面に到達できるか、権限昇格の経路があるかを試し、PoCを生成します。各段階で何を試しているかが表示され、途中で手動に切り替えることもできます。
- 誤検知の削減アクセス制御の不備は検査が単調な割に自動化が難しく、誤検知が出やすい領域です。Burp Scanner はここでAIを使い、報告する前に検証します。
- ログインシーケンスの自動生成認証が必要な画面をスキャンするためのログイン手順を、ブラウザで手作業により記録する代わりに生成します。記録漏れや入力方式の認識ミスを避けられます。
- カスタムアクションと拡張機能Burp Repeater のカスタムアクションや、Montoya API で作る拡張機能から、AIを呼び出せます。APIキーの管理は必要ありません。拡張機能のAI利用は、既定では無効です。
動画で見る:Burp AI in Repeater の考え方とデモ(英語・約15分)
メーカーが公開している動画です。Burp AI の開発者2人が、Explore Issue から Burp AI in Repeater が生まれた経緯と、エージェント型のAIの考え方を説明し、Burp AI in Repeater で Web Security Academy のラボを解くデモを見せます。英語の動画のため、下の日本語の流れとあわせてご覧ください。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 0:00 | Burp AI を開発しているPortSwigger社のエンジニア2人の自己紹介と、話す内容 |
| 1:58 | Burp AI は5つの機能で始まり、もっとも使われたのは Explore Issue だった。利用者は自分で作ったIssueにも使っていて、AIに渡す情報を自分で決めたい、Burp Scanner のIssue以外でも使いたい、という要望が見えた |
| 3:06 | エージェント型のAIの考え方。1回の指示で終わらず、試して、結果から学び、次の手を変える、を繰り返す |
| 3:42 | モデルを専用に調整(ファインチューニング)するより、汎用のモデルに渡す情報(指示、ツール)を整えるほうが、変化の速い分野では長く使える |
| 6:49 | 人の入力の扱い。AIが確認を求めすぎると手間が増えるため、確認は判断の分かれ目に絞る |
| 7:40 | Burp AI in Repeater の紹介。Explore Issue の仕組みを、Burp Repeater で誰でも使えるようにした |
| 8:49 | デモ:Web Security Academy の反射型XSSのラボを、Burp AI in Repeater に解かせる。指示を書いて送り、DashboardでAIの手順を追い、最後にタスクの要約が出る |
| 10:27 | AIに渡すツールの作り方と、MCP(Model Context Protocol)の役割 |
| 12:54 | デモ:Burp Suite 用のMCPサーバーの拡張機能(BApp Store。Community Edition と Burp Suite Professional で使える)で、AIクライアントから Burp Suite を操作する |
| 13:53 | Burp AI を試すときのおすすめ(MCPサーバーの拡張機能、Burp AI in Repeater でいろいろな作業を試す) |
2025年10月に公開された動画です。この時点では Burp AT は提供されておらず、Burp Suite DAST の Burp AI は「今後の予定」として紹介されています(2026年8月に提供開始)。動画のMCPサーバーは Burp Suite Professional・Community Edition の拡張機能で、Burp Suite DAST に組み込まれているMCPサーバーとは別のものです。
Burp Suite DAST では、自動スキャンの結果の確認にAIを使います。サイトごとに有効にすると、スキャンのクロールと監査が終わったあと、設定した重大度と確度に合うIssueをAIが自動で確かめます。結果は「確認済み(実在し、悪用できる)」と「判定不能(手動での確認が必要)」に分かれ、要約・影響・証拠・再現手順がIssueに付きます。AIの結果は、すべての種類のレポートに入ります。ログイン手順をAIで記録することもできます。Burp Suite DAST の Burp AI は、クラウド版で契約できます。
Burp Suite DAST には、MCPサーバーも組み込まれています。Claude Code、Claude Desktop、CursorなどのMCPに対応したAIアシスタントから、サイト・スキャン・Issueの参照、スキャンの開始と取り消し、Issueの状態の変更、HTMLレポートの作成ができます。操作はAPIキーの持ち主の権限の範囲に限られ、変更を伴う操作には確認を求めます。クラウド版・自社ホストのどちらでも、追加の費用なしで既定で有効です。
Burp AT(エージェント型AI)
Burp AT は、エージェント型のAIです。Burp AI が作業中のツールで手を貸す機能であるのに対し、Burp AT は与えられたタスクに対して自分で計画を立て、Burp Suite のツールを使って調べ、結果を見て次の手を決めます。Burp Suite Professional の画面から開いて使い、別のソフトウェアは必要ありません。
汎用のコーディングエージェントに Burp Suite を触らせる構成とは、次の3点が違います。
- Burp Suite のツールで実行するエージェントは戦略を考えるところまでを担い、実行は Burp Suite のツールで行います。プロトコルの例外的な挙動や不正な形式の通信など、汎用のライブラリで組んだ処理が破綻しやすい場面に対応できます。
- PortSwigger Research が作成したスキルコンテンツ探索やレースコンディションといった作業ごとの手順が「スキル」として用意されています。モデルの一般知識から手順を組み立てるのではなく、研究チームが確立した方法論に沿って動きます。スキルは自動で配信・更新されます。
- 境界を Burp Suite が守らせるスコープ、使えるツール、承認が必要な操作は、モデルとは切り離された Burp Suite のツール層で管理されます。ただし、スクリプト用のツールで動かすコードの通信は、スコープの確認を通りません。スコープの外に通信させたくない場合は、スクリプト用のツールを無効にします。エージェントの通信とツール操作は、利用者自身の操作と同じプロジェクトに記録されます。
自律度は3つから選べます。Manualはツールごとに「確認する」「任せる」を決めた設定に従い、Smart(既定)は危険と判断した操作だけ確認を求め、Autonomousは確認なしで進めます。どの自律度でも、スクリプトの実行、スコープへの追加、カスタムスキャンチェックの作成には承認が必要です。まず承認を厳しくしておき、様子を見ながら任せる範囲を広げていく使い方ができます。
見つけた脆弱性はIssueとして記録され、証明に使ったリクエストとレスポンスが添付されます。重大度と確度は Burp AT が付けるため、対応の前に確かめてください。2026年8〜10月には、独自のスキルの追加、目標を達成するまで作業を続ける /goal、Burp Suite の各ツールから通信を Burp AT に送る機能、ファイルの添付、推論の強さの切り替えが加わりました。
2026年10月時点でパブリックベータです。Burp Suite Professional の利用者向けに提供されていて、チームや組織で使う形(Team、Enterprise)は、メーカーが準備中です。提供状況も機能も変わりますので、最新の情報はメーカーのページをご確認いただくか、弊社までお問い合わせください。
AIの契約(AI Credits と AI Subscription)
AI機能を使うには、AI Credits を購入するか、AI Subscription を契約します。名前が似ていますが、別物です。AI Credits は個人が使った分だけ支払う従量制、AI Subscription はチームで使い放題にする定額制とお考えください。
| 項目 | AI Credits | AI Subscription |
|---|---|---|
| 考え方 | 従量制 | 定額制 |
| 向いている場面 | 個人で試す、必要なときだけ使う | チーム全体で日常的に使う |
| 使用量 | 購入したクレジットの残高まで | 無制限(公正利用の範囲内) |
| 毎月の無償枠を超えた分を、クレジットから差し引きます | 公正利用の範囲で含まれます | |
| 管理の単位 | ユーザーごと。共有もプールもできません | チーム単位 |
| 前提となるライセンス | Burp Suite Professional | Burp Suite Professional のライセンスを25単位で含みます |
| 購入の経路 | 利用するご本人がアカウントページで購入します | 弊社経由で契約いただけます |
| 有効期限 | 購入から12か月で失効します | 契約期間(1年) |
| 価格 | 1万クレジットあたり5ドル | およそ4万ドルから |
Burp AT は、Burp Suite Professional の利用者なら、毎月一定量まで追加の費用なしで使えます。量はメーカーが公開していません。超えた分は AI Credits から差し引かれ、AI Subscription では公正利用の範囲に含まれます。
クレジットの消費量は機能によって異なります。Explainerのように短いテキストをやり取りするだけの機能は消費が少なく、Explore Issue のように大きなリクエストを送る機能は多く消費します。Burp AT は、タスクの長さと複雑さに応じて消費し、推論の強さを上げると増えます。クレジットが尽きるとAI機能は停止します。スキャンの途中で尽きた場合に、スキャンを止めるか、AI機能なしで続行するかは設定で選べます。
- AI Credits 利用するご本人が購入しますPortSwigger社のアカウントページからクレジットカードで購入する形になり、販売店経由での購入はできません。購入にあたっては、そのアカウントに Burp Suite Professional のライセンスが紐づいている必要があります。
- AI Credits 組織で共有できませんクレジットは購入したユーザー個人に割り当てられます。5ライセンスをお持ちの組織で100万クレジットを購入しても、そのクレジットは購入した1人のものです。まとめ買いして配分する運用はできません。
- AI Subscription Burp Suite Professional のライセンスを含みますBurp Suite Professional のライセンスを25単位で含むパッケージとして、弊社経由で契約いただけます。お持ちの Burp Suite Professional のライセンスは、残りの期間の分を差し引いて組み入れられます。クレジットの残高管理が不要になり、年間の費用が固定されます。
含まれるライセンス数によって価格が決まります。目安として、25ライセンスまでの構成でおよそ4万ドル、50ライセンスまでの構成でおよそ6万5千ドルです。
このほかの規模でもお見積りできます。使用量に上限はないため、価格を決めるのはライセンス数だけです。ご希望の人数をお知らせいただければ、都度お見積りいたします。
一定の規模以上の構成には、メーカーによる導入支援(オンボーディング)が含まれます。英語での提供です。日本語での支援をご希望の場合は、内容を確認のうえ別途ご相談ください。
Burp Suite DAST の Burp AI は、これとは別に、クラウド版の Burp Suite DAST で契約します。価格はお見積りいたします。
データの扱いと管理
AI機能を導入する前に、社内のセキュリティ審査で、診断対象のデータがどこへ送られ、どこに残るのかを問われることがあります。Burp AI と Burp AT は、利用者の環境からPortSwigger社のAI基盤を経由して、AI提供者のモデルにデータを送ります。AI提供者はデータを保存しませんが、PortSwigger社はプロンプトと応答を保存します。
審査でよく問われる項目を、次の表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| AIに送るもの | 機能ごとに決まっています。Explainerは選んだ部分、Burp AI in Repeater はタブのリクエストとレスポンスの全体と指示、Explore Issue はIssueのリクエストとレスポンスの全体です。Burp AT は、会話、ツールの呼び出しとその結果、送った通信、添付したファイルを送ります |
| 機微なデータを伏せるか | 自動では伏せません。送るリクエストとレスポンスに含まれる認証情報や個人情報も、そのまま送られます。AIで生成したログイン手順は、ユーザー名とパスワードを置き換えます |
| PortSwigger社が保存するもの | プロンプト、AIの応答、メタデータ(障害対応、監査、課金、アカウントの管理のため)。Burp AT では、会話の全体、ツールの呼び出しと結果、添付したファイルも含みます。保存時はAES-256で暗号化し、社内のアクセスは役割で制限して記録します |
| 保存の期間 | 運用のログは31日で削除します。会話と監査のデータには、決まった削除の期限を設けていません |
| 改善への利用 | PortSwigger社は、匿名化したデータを、AI機能の改善と問題の調査に使う権利を留保しています |
| AI提供者の扱い | 契約により、データの監視、保存、モデルの学習への利用を禁じています |
| 使うモデル | Burp AI はOpenAIとAnthropic、Burp AT はAnthropicのモデルです。利用者は選べません |
| 処理する地域 | PortSwigger社のAI基盤はAWSの米国東部(バージニア)と欧州西部(アイルランド)、AI提供者は米国のデータセンターで処理します。地域は選べません |
| 通信の暗号化と認証 | 通信は TLS 1.2以上で暗号化します。PortSwigger社の ISO 27001 の認証の対象で、個人データの処理はデータ処理契約(DPA)の対象です |
| 診断対象への通信 | Burp AT の通信は、利用者の Burp Suite から対象へ直接送ります。PortSwigger社のAI基盤は対象に接続せず、Burpのプロジェクトもアップロードしません |
| スコープの外への通信 | Burp AT のスクリプト用のツールで動かすコードは、スコープの確認を通りません。止めたい場合は、スクリプト用のツールを無効にします |
| 破壊的な操作 | Burp Suite DAST のAIは、DELETE・PUTなどの破壊的なHTTPメソッドと、データを失うおそれのあるSQLを自動で止めます |
| 記録 | Burp AT の通信は Burp Logger に残ります。Burp Suite Professional は、Burp AI の通信も記録できます |
| 止め方 | Burp Suite Professional は、設定の「Disable AI features」でAI機能を止められます。Burp AT も止まります。Burp Suite DAST は、管理者が設定でAI機能を無効にします。無効にすると、過去のAIの結果も表示されなくなります |
審査では、メーカーのAI機能の信頼性とデータの扱いのページと、Trust Centerをご確認ください。なお、オフライン(ローカルのモデル)での利用はできません。
Burp Suite DAST
Burp Suite DAST(旧名称:Burp Suite Enterprise Edition)は、多数のWebアプリケーションを継続的に自動スキャンするための製品です。サーバーとスキャンマシンで構成される分散システムで、Webの管理画面からスキャンの設定、実行、スケジュール、結果の共有を行います。
スキャンのエンジンは Burp Suite Professional と同じ Burp Scanner です。Chromiumを組み込んだブラウザ駆動のスキャンを行う点も共通しています。違いは、それを1人のデスクトップで回すか、組織のインフラで並列に回すかです。
ユーザー数の上限はありません。ロールベースのアクセス制御とシングルサインオンに対応しています。
スキャン結果をAIで確かめる Burp AI と、AIアシスタントから操作するためのMCPサーバーも備えています。詳しくはBurp AI でできることをご覧ください。
Burp Suite Professional との違い
| 項目 | ||
|---|---|---|
| 主な用途 | 手動によるペネトレーションテストと、対話的な脆弱性診断 | 多数のアプリケーションに対する継続的な自動スキャン |
| 主に使う人 | 診断担当者、ペネトレーションテスター、バグバウンティハンター | AppSecチーム、開発チーム、CISO・CTO |
| ユーザー数 | 1ライセンスにつき1ユーザー | 上限なし |
| スキャン対象の規模 | 単一または少数のアプリケーション | 数十から数千のアプリケーション |
| スケジュール実行 | ||
| CI/CDへの組み込み | ライセンス上、利用が認められていません | あらゆるCIプラットフォームと連携できます |
| アクセス制御 | なし(単一ユーザー) | ロールベースのアクセス制御、シングルサインオン |
| 導入の形態 | ローカルへのインストールのみ | クラウド、オンプレミス、Kubernetes |
| AI機能 | ||
| 出力 | HTMLまたはXMLのレポート | ダッシュボード、フォルダ・サイト単位のビュー、チケットシステム連携(ServiceNowなど)、IssueのCSV、AIの結果を含むレポート |
| API | REST API | GraphQL API、REST API、MCPサーバー |
どちらか一方で足りるわけではありません。Burp Suite Professional だけでは継続的な自動スキャンが回らず、Burp Suite DAST だけでは手を動かして深掘りする調査ができません。組み合わせて使うことを前提に設計されています。
デプロイの形態
4つの形態から選べます。同じ製品で、どこにサーバーとスキャンマシンを置くかが違います。
| 形態 | 内容 | 向いている場合 | AI機能 |
|---|---|---|---|
| PortSwigger社のクラウド | メーカーが自社の閉じたネットワーク内でホストします。デプロイ、設定、保守はメーカー側が行います | インターネットから到達できるアプリケーションを対象にする場合 | |
| PortSwigger社のクラウド+内部スキャンマシン | 上記に加えて、自社ネットワーク内にスキャンエージェントを置きます | 社内向けのアプリケーションも対象にしたい場合 | |
| 自社ホスト(標準) | サーバーとスキャンマシンを自社のシステムに置き、構成を自分で管理します | スキャン基盤を自社の管理下に置きたい場合 | |
| 自社ホスト(Kubernetes) | Helmチャートを使い、Kubernetesクラスタにデプロイします。需要に応じて自動的にスケールします | すでにKubernetes基盤がある場合 |
FAQ
- 納品はどのように行われますか?
- Burp Suiteのトライアルは可能ですか?
- Burp AI を使うと、診断対象のデータが外部に残りますか?
- AI Credits を組織でまとめて購入し、メンバーで分け合うことはできますか?
- Burp Scanner が報告したIssueのseverity(High、Medium、Low、Informational)は、どのような基準で決まりますか?
- スキャナーの性能を試したいのですが、対象にできる脆弱なWebアプリケーションはありますか?
- 適切なパフォーマンスで稼働させ、適切な結果を得るために考慮すべき点はありますか?
- "Activation Failed / no more activations allowed for this license." というエラーが表示され、ライセンスをアクティベーションできません。
- Burp AT を使うのに追加の費用はかかりますか?







