概要
Silo(サイロ) Workspace は、Authentic8社が提供するオンライン調査の基盤です。調査員はクラウドの分離環境から、世界各地の出口ノードを経由して、調査対象のサイトやSNS、フォーラム、ダークウェブに直接アクセスします。ここでは、製品の位置づけ、Managed Attribution という考え方、ライセンス、主な機能を順に説明します。
Silo Workspace とは
脅威インテリジェンスやOSINTの調査では、アラートやフィードを見るだけでは全体像がつかめず、調査員が対象のサイト、SNS、フォーラム、ダークウェブに自ら踏み込んで確かめる必要があります。ところが、組織の端末とネットワークからそのままアクセスすると、接続元から組織が特定される、対象のサイトに遮断される、マルウェアに感染する、といったおそれがあります。
Silo Workspace は、Managed Attribution(接続元の秘匿)を中核に、分離環境・調査ツール・AI・統制までそろえた調査基盤です。ブラウザやアプリはAuthentic8社のクラウドの分離環境で動き、調査員の端末には画面の描画だけが届きます。インターネットへの出口は、Authentic8社が世界各地で運用するノードから選べます。調査対象から見えるのは、出口ノードのIPアドレスと、現地に合わせた端末の特徴だけです。
VPNやVDI、仮想マシンとは別の製品です。接続元を隠すだけでなく、分離した実行環境、調査に使うツール、組織としての統制までを1つの環境にまとめています。
Managed Attribution とは
Managed Attribution(マネージド・アトリビューション)は、オンライン調査で「誰が、どこから、どのような端末でアクセスしているように見えるか」を、調査員の側で意図して管理する考え方です。接続元のIPアドレスを隠すだけでなく、IPアドレスの種類(データセンター、一般家庭のISP、携帯キャリアなど)、地域、ブラウザやOSの特徴(フィンガープリント)、言語やタイムゾーンを、調査対象に合わせて組み立てます。
VPNや匿名ブラウザとの違いは次のとおりです。
| VPN・匿名ブラウザ | Silo Workspace | |
|---|---|---|
| 接続元のIPアドレス | 隠せる。ただしVPNのIPアドレスとして検知・遮断されやすい | 隠せる。データセンター、ISP、モバイル、Torから、対象に合わせて選べる |
| ブラウザやOSの特徴 | 手元の端末のまま | 調査の所在地に合わせて設定できる |
| 端末との分離 | ページのコードは手元の端末で動く | クラウドの分離環境で動き、端末には画面だけが届く |
| 組織としての記録 | — | 操作を組織のログに記録する |
調査では、具体的に次の点が変わります。
本来のコンテンツに到達できる
海外からのアクセスを遮断するサイトや、海外向けに別の内容を表示するサイトでも、現地の一般の利用者として本来のコンテンツを確認できます。
調査していることを悟られない
組織のIPアドレスから同じサイトに何度もアクセスすると、相手に「どこかの組織が調べている」と気づかれます。相手が脅威アクターであれば、痕跡の消去や偽の情報の設置といった対抗策を取られます。
調査対象に応じて見せ方を変えられる
SNSの調査には一般家庭のISPや携帯キャリアのIPアドレス、ダークウェブにはTorへの接続、というように、対象に合った出口を選べます。
長期の調査でも一貫した人物像を保てる
任務ごとにワークスペースを保存でき、ブラウザの状態や認証情報をセッションをまたいで保持します。フォーラムやSNSで同じアカウントを続けて使う調査でも、毎回違う環境から接続して怪しまれることがありません。
AIの利用も同じ秘匿の枠内に収まる
調査を支援するAIアシスタント(Silo Nexus AI)への問い合わせは、利用者と組織の情報から切り離して外部のAIに送られます。ブラウジングを秘匿しても、調べた内容を一般のAIサービスに入力すれば、調査の対象や意図が外部に残ります。Siloでは、AIの利用にも同じ秘匿が効きます。
秘匿と統制を両立できる
利用できる地域、出口ノードの種類、データの持ち出し、AIの利用可否は管理者のポリシーで決まり、操作は暗号化したログに残ります。調査の手法を秘匿したまま、組織として説明責任を果たせます。
トレードクラフト(調査の作法)
Authentic8社が Managed Attribution とあわせて重視するのが、トレードクラフトです。もとは諜報の世界の言葉で、正体を悟られずに情報を集めるための技術や作法を指します。オンライン調査では、調べていることを相手に気づかれないための振る舞いのことで、たとえば次のようなものがあります。
- 調べる地域の人が普段使う検索エンジンやサイトを使う
- 出口の地域、回線の種類、言語、タイムゾーンを、調べる地域に合わせる
- 同じサイトを繰り返し収集するときも、端末の特徴を合わせ、現地の時刻に合わせて収集する
- フォーラムやSNSでは、同じ環境から一貫した人物像で接続し続ける
端末の特徴(OSやブラウザの種類)をどう選ぶかは、調査の目的によって変わります。判断の目安は、相手が見せる相手を選んでいるか、同じ人物として長く使うかの2つです。
- 日本のスマートフォンの利用者を狙うフィッシングサイトは、パソコンからのアクセスには偽の画面を見せないことがあります。この場合は、日本の携帯回線とiPhoneの特徴に合わせてアクセスします(下の「調査の例」)
- SNSで同じアカウントを長く使う調査では、OSやブラウザの種類を無理に偽らず、同じ設定を使い続けます。ログインのたびに端末の特徴が変わると、かえって不審に思われます
Silo Workspace は、出口ノードと端末の特徴の設定、ワークスペースの保存、定期収集の時刻の設定などで、この作法を仕組みとして支えます。
主な特長と活用例
調査員の端末を脅威から切り離す(分離実行)
すべてのウェブのコードとアプリケーションはクラウドの分離環境で動きます。マルウェアや追跡スクリプトが、調査員の端末や組織のネットワークに届きません。
調査員の身元と所在地を隠す(Managed Attribution)
世界各地の出口ノードと、端末の特徴(フィンガープリント)の設定により、調査対象からは現地の一般の利用者に見えます。
調査のツールを1つのワークスペースにまとめる
ブラウザ、メッセージングアプリ、分析ツール、翻訳、キャプチャ、ストレージ、AIアシスタントを、同じ環境・同じ出口ノードで使えます。
組織としてポリシーとログで統制する
管理者が、利用できる地域、出口ノードの種類、データの持ち出し、アプリと拡張機能の可否を決め、操作を暗号化したログに記録します。
主な活用例は次のとおりです。
| 用途 | 調べること |
|---|---|
| サイバー脅威インテリジェンス | 脅威アクターのTTPとIOCの調査、データ侵害の監視、脅威指標のエンリッチメント |
| SOC・インシデント対応 | アラートのトリアージと検証、不審なドメインやURLの安全な確認 |
| OSINT・公開情報の調査 | SNS、フォーラム、ダークウェブの直接調査、カウンターインテリジェンス、兆候と警告 |
| 法執行 | オンラインでの捜査、公共の安全にかかわる情報の確認 |
| 金融犯罪 | マネーロンダリング対策、強化されたデューデリジェンス、暗号資産の不正な取引の追跡 |
| 不正・ブランド保護、トラスト&セーフティ | 偽アカウント・偽サイト・模倣品の調査 |
| 企業・物理セキュリティ | 役員と従業員の保護、内部脅威、サプライチェーンの調査、地政学的な事象の監視 |
導入のご相談やお見積もり、トライアルのご希望は、お気軽にお問合せください。
ライセンス
Silo Workspace はユーザー単位・年額のライセンスです。3つの基本プランと、必要に応じて追加するアドオンで構成します。各プラン・アドオンの価格は、お問合せください。
基本プラン
3つの基本プランの違いは、出口ノードを選べる地域(リージョン)の数と、APIを使えるかどうかです。調査の環境、収集・記録・分析、管理・統制の機能は、どのプランにも含まれます。表の機能名から、主な機能のそれぞれの説明に移れます。
| Local1リージョン | Multi-Region2リージョン | Global全リージョン | |
|---|---|---|---|
| リージョン | |||
| 利用できるリージョン※1 | 任意の1つ | 任意の2つ | すべて |
| Rapid Response ノード※1 | — | — | ✓ |
| 調査の環境 | |||
| 分離ブラウザ・ワークスペースブラウザの設定のプロファイル | ✓ | ✓ | ✓ |
| Silo Appsデスクトップアプリ | ✓ | ✓ | ✓ |
| キャプチャ・スクリーンショットと注釈 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 拡張機能の管理・Silo Marketplace | ✓ | ✓ | ✓ |
| 収集・記録・分析 | |||
| Silo Collector定期収集 | ✓ | ✓ | ✓ |
| Silo Gofer複数サイトの一括検索 | ✓ | ✓ | ✓ |
| Silo Case Manager閲覧の記録 | ✓ | ✓ | ✓ |
| Silo Drive暗号化ストレージ(個人用1GB、共有用10GB) | ✓ | ✓ | ✓ |
| Silo Nexus AIAIアシスタント | ✓1日10回まで | ✓1日10回まで | ✓1日10回まで |
| 管理・統制 | |||
| 管理者機能ポリシー、権限の委任、SSO | ✓ | ✓ | ✓ |
| Event Managerリアルタイムの監視と通知 | ✓ | ✓ | ✓ |
| Silo DVRセッションの録画 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 暗号化した監査ログ | ✓ | ✓ | ✓ |
| API | — | ✓ | ✓ |
| アドオン | |||
| Silo Nexus AI 無制限 | アドオン | アドオン | アドオン |
| Silo Web Harvester収集のAPI | アドオン | アドオン | アドオン |
| Silo Transcription and Translation動画・音声の文字起こしと翻訳 | アドオン | アドオン | アドオン |
| SMS Inbox EnhancedSMS認証用の電話番号 | アドオン | アドオン | アドオン |
| ストレージの追加 | アドオン | アドオン | アドオン |
| Silo Sovereign Access※2 | アドオン | アドオン | アドオン |
| Silo MCPAIエージェントによる収集 | アドオン2027年以降 | アドオン2027年以降 | アドオン2027年以降 |
- ※1 選べるリージョンは、北米、欧州、中南米、アジア太平洋、アフリカ・中東の5つの地域と、ダークウェブ(Tor)を合わせた6つです。ダークウェブも1つのリージョンとして数えます。たとえば、日本や周辺地域からアクセスしているように見せる調査と、ダークウェブの調査の両方を行う場合は「アジア太平洋+ダークウェブ」の2つとなり、Multi-Regionが該当します。選んだリージョンは、契約の更新時に変更できます。Rapid Response ノードは、地域の情勢に合わせて配置される出口ノードで、Globalで使えます。
- ※2 中国・ロシアの現地の利用者としてアクセスするためのサービスです。詳しくはアドオンをご覧ください。
最新情報にアップデートするよう心がけていますが、予告なく変更になる可能性がございます。
アドオン
基本プランに加え、必要に応じて次を追加できます。
Silo Sovereign Access
中国・ロシアの現地の利用者としてアクセスするためのサービスです。こうした地域では、企業の登記情報や行政のサイトなどが海外のIPアドレスを遮断していることがあり、通常のVPNやプロキシも検知・遮断されます。Silo Sovereign Access は、通常の Managed Attribution Network とは別に調達した回線を使い、現地のIPアドレスと端末の特徴で対象にアクセスします。分離環境、監査ログ、ワークスペースは、通常の Silo Workspace と同じです。
使い方は通常の出口ノードとほぼ同じで、現地の利用者として自然に振る舞えるよう、調べる地域に合わせた設定が用意されています。具体的な仕組みや、閲覧できるサイトの例は、お問合せください。
ライセンスは1ユーザーにつき1地域で、最低3ライセンスからのご契約となります。3ライセンスの内訳は地域ごとに割り振れます(例:中国2ユーザー、ロシア1ユーザー)。同じユーザーが中国とロシアの両方を使う場合は2ライセンスを消費するため、3ユーザー全員が両方の地域を使う構成には6ライセンスが必要です。
Silo Workspace のどのユーザーに付与するかは、お客様が指定できます。契約期間中に別のユーザーへ付け替えることもできます。
導入時には、必要に応じて管理者向けのトレーニングを行います。利用者向けのガイドがあり、弊社ではその日本語版もご用意しています。
Silo Nexus AI 無制限
標準で付帯する Silo Nexus AI の、1日10回の上限をなくします。
Silo Web Harvester
大量のOSINT収集をAPIで自動化し、既存の収集の仕組みに組み込めます。APIから使う機能で、画面から使う定期収集は標準の Silo Collector で行えます。収集した内容の保存用に、50GBの暗号化ストレージが付帯します。APIの呼び出し回数は、必要に応じて追加できます。
Silo Transcription and Translation
動画・音声を文字に起こして翻訳し、テキスト、字幕ファイル、字幕付きの動画として出力します(80以上の言語)。SNSの短い動画やライブ配信の内容を、言語の専門家に回す前に自分で確かめられます。組織のユーザー数に応じた、文字起こしの時間の枠でご契約いただきます。
SMS Inbox Enhanced
SNSやフォーラムの中には、アカウントの作成やログインのときにSMSによる認証を求め、IP電話の番号を受け付けないものが多くあります。SMS Inbox Enhanced は、Siloの中から使える携帯電話の番号(米国の番号)と、検証済みのメールアカウントを提供します。番号は、お客様の組織にもAuthentic8社にもひも付かないため、調査用のアカウントから調査員や組織が特定されません。調査員の私物の携帯電話を使ったり、調査用の端末を組織で用意して管理したりする必要もありません。番号を誰に割り当てるかは管理者が決め、受信したSMSは記録に残ります。
ストレージの追加
標準の Silo Drive(個人用1GB、共有用10GB)を超える容量を追加できます。
Silo MCP(2027年以降に提供開始予定)
AIエージェントをSiloのマネージド・アトリビューション・ネットワークに接続し、何をどのように収集するかをエージェントに指示できるようにする機能です。収集したコンテンツの翻訳も提供される予定です。提供時期および価格は未定で、提供開始は2027年以降の見込みです。
導入のご相談やお見積もり、トライアルのご希望は、お気軽にお問合せください。
主な機能
オンライン調査は、対象へのアクセス、内容の記録(キャプチャ)、分析、レポートの順に進みます。Silo Workspace は、それぞれの段階で使う機能を1つの環境にそろえています。
調査の例:日本の利用者を狙うフィッシングサイト
日本の利用者を狙うフィッシングサイトを例に、Silo Workspace での調査の流れを示します(画面は弊社の評価環境)。サイトへのアクセスはすべて分離環境から行い、手元の端末からは接続しません。
1. 犯人が隠している画面にたどり着く
フィッシングサイトの中には、パソコンからのアクセスを本物のウェブページに転送し、狙う利用者のスマートフォンからのアクセスにだけ偽のログイン画面を見せるものがあります。調査する側やセキュリティ製品の自動の巡回に、偽の画面を見せないためです。出口ノードの地域と回線の種類、端末の特徴を、狙われている利用者に合わせれば、利用者が見ているのと同じ画面を確かめられます。
2. AIで見立てと次の手を整理する
偽の画面を Silo Nexus AI に渡すと、画面とURLから読み取れる事実と推測を分けたうえで、攻撃者の狙い、手口、次に調べることを示します(画面は Silo Nexus AI の項)。調べている内容を、外部の一般のAIサービスに出さずに済みます。
3. 同じ攻撃者のほかのサイトをたどる
ランチャーから Google Threat Intelligence などの調査ツールを開き、偽サイトのIPアドレスで使われたほかのドメインをたどれます。たどった結果を Silo Nexus AI に渡せば、攻撃の広がりを推定させることもできます(画面は Silo Nexus AI の項)。
4. 証拠を残し、監視を続ける
フィッシングサイトは短い期間で消えたり、中身が変わったりします。Silo Collector で、日本の携帯回線とiPhoneの表示を指定して毎日収集すれば、画面と、いつ・どの出口から・どの端末として収集したかの記録が自動で残ります。
Managed Attribution Network
Authentic8社が自社で所有・運用するネットワークで、2026年10月時点で、32か国以上・180以上の拠点に、700以上の出口ノードを置いています。6大陸、57の国サブリージョン、141の州・地域、90のISP、12のTor接続ノードにまたがります。出口ノードの種類は、調査の内容に合わせて選べます。日本では東京と大阪の出口ノードを選べます(2026年10月時点)。
モバイル(携帯キャリア)の出口は、携帯キャリアの網に直結したクラウドの機器から出るため、IPアドレスは携帯キャリアのものになります。
一般の通信に紛れる共有ノードのほか、任務ごとに専有する専用ノードも選べます。データセンターとISPのIPアドレスは約180日ごとに入れ替わり、2年間は再利用しません。標準のネットワークにない地域や回線が必要な任務には、専用の出口を用意することもできます。
ダークウェブには、複数のTor接続ノードを通じて、Silo Workspace の中から直接アクセスします。別のブラウザやソフトウェアは必要ありません。また、地域の情勢の動きに合わせて、Rapid Response ノードを配置します。Rapid Response ノードは Globalプランで使えます。
ブラウザの言語とタイムゾーンは、既定で出口ノードの所在地に合わせて設定されるため、IPアドレスの地域と食い違いません。
ワークスペースと Silo Apps
任務ごとにワークスペースを保存して起動でき、ブラウザの状態、認証情報、アプリの状態をセッションをまたいで保持します。端末の特徴は、ChromeのWindows、macOS、Linux、iPhone、iPad、Androidのスマートフォン・タブレット、WindowsのEdgeから、ワークスペースごとに選べます。閲覧の履歴やログインの状態を次回に残すかも、ワークスペースごとに決めます。残す設定にしても、キャッシュや危険なおそれのあるファイルは、セッションの終わりに自動で消えます。キーボードの配列は Silo Keyboard で調べる国の配列に切り替えられ、現地の言語で検索や入力ができます。
ワークスペースを開くと、選んだ出口の都市と現地の日時が表示される。翻訳、スクリーンショット、Nexus AI、記録などの道具は、すべてこの画面のツールバーから使え、手元の端末に何も入れずに調査を進められる
Silo Apps
ブラウザ以外のデスクトップアプリを、分離環境のコンテナで動かす機能です。同じワークスペースのアプリは、ブラウザと同じ出口ノードを使います。Telegramでクリックしたリンクは同じワークスペースのブラウザで開き、ブラウザで集めたデータはMaltegoに貼り付けて分析できます。
| アプリ | 用途 |
|---|---|
| Telegram | メッセージング(既存のアカウントが必要) |
| Signal | メッセージング |
| Maltego | グラフでの関係の分析 |
| LibreOffice | 文書・表計算 |
| Obsidian | 調査ノート |
| テキストエディタ | テキストの編集 |
| ターミナル(Tilix) | コマンドラインのツールの実行。コマンドライン専用のネットワーク区分を使う |
拡張機能と Silo Marketplace
Chromeの拡張機能を、管理者が決めた許可リスト・拒否リストのもとで分離環境の中で使えます。Silo Marketplace は、Authentic8社が審査した拡張機能、Webアプリケーション、デスクトップアプリのカタログで、ワークスペースの中から開きます。管理者は、組織ごとにツールを事前に許可する、1件ずつ承認する、使えなくする、のいずれかで管理でき、追加の記録は監査ログに残ります。Marketplaceの利用とAuthentic8社製のツールは無償で、パートナー製品は各社の価格です。パートナー製品には、Fivecast ONYX やDarkOwlなどがあります。
Authentic8社製の拡張機能には、次のようなものがあります(2026年10月時点)。
| 拡張機能 | 何をするか |
|---|---|
| Silo Citation | 閲覧中のページの出典を、米国の情報機関の公開情報の引用基準(ICS 206-01)の形式で作り、クリップボードにコピーする |
| Silo Fang | URLを「hxxps://example[.]com」のような開けない形に変える(デファング)。報告書やメールで共有しても、誤って開いたり、リンクのプレビューで相手のサーバーにアクセスしたりすることがない。調べるときはSiloの中で元に戻して開く |
| Silo Referrer | 閲覧先のサイトに、どこから来たように見せるか(リファラー)を制御する |
| Silo Screen Recorder | ブラウザの選んだ範囲を最大30分録画する。保存しにくい動画も残せる |
| Silo Content Reporter | 有害なコンテンツに遭遇したことを、分類を選んで1回の操作で記録し、URLをデファングしてクリップボードにコピーする。記録を保存せず、外部とも通信しない |
他の調査ツールの取り込み
Siloは特定のインテリジェンス提供元に依存しない設計で、APIを通じてさまざまな提供元とつながります。ほかの調査ツールは、種類に応じて次の3通りで取り込めます。
Webアプリは、ランチャーから開く登録済みのWebサービスです。管理コンソールのカタログにあるものは管理者が追加でき、カタログにないものは、対象のURLをAuthentic8社のサポートに伝えて追加します。調査ツールをSiloの中で使うと、次の点で役に立ちます。
- 危ないものを手元に持ち込まない:検体のダウンロードや、調べた結果に出てくるURLのクリックが、すべて分離環境の中で起きる
- 調査の出どころを見せない:たとえばファイルを提出すると提出元の国がほかの利用者にも見えるサービスで、組織の所在地を知られずに済む
- ツールのアカウントを組織で管理する:ログインの情報は、管理者が利用者ごとに設定する、組織で1つを共有する(どちらも利用者には見えない)、利用者が自分で入力する(管理者には見えない)、の3通りから選べる。使った記録もSiloのログに残る
例に挙げたMaltego、Fivecast ONYX、DomainToolsは、弊社でも取り扱っています。Google Threat Intelligence などの調査ツールも、Siloの中から使えます。
収集・保存・記録
調査で見たものを記録し、繰り返しの収集を自動化し、集めた資料を保存・共有する機能です。調べものを助ける検索と翻訳の機能も、ここにまとめています。収集は、選んだ出口ノードを経由して行います。「アドオン」の機能は、追加のご契約で使えます。
| 機能 | 何をするか | ご契約 |
|---|---|---|
| 記録する | ||
| Silo Case Manager | 閲覧したページを画像かMHTMLで自動で記録し、URL、時刻、ページのハッシュを残す | 標準 |
| Silo DVR | ブラウザと Silo Apps のセッションを録画する。録画には利用者、出口ノード、日時の透かしが入り、管理者が管理コンソールで再生・ダウンロードできる | 標準 |
| スクリーンショットなど | スクリーンショット(ページ全体、表示範囲、選んだ範囲、ページの要素)と、図形・URL・日時の書き込み、動画のダウンロード、ノートの作成 | 標準 |
| 収集を自動化する | ||
| Silo Collector | 同じサイトを日次・週次などで定期的に収集する。出口ノード、端末の特徴、スマートフォンやタブレットのエミュレーション、開始時刻(現地の時刻、ランダムなずれ)を設定できる。PDF、PNG、MHTMLで保存し、収集時に翻訳も付けられる。収集ごとに、実行の時刻、URL、ページのタイトル、ブラウザの言語、出口ノードの地域、タイムゾーンを記録したファイルが付く | 標準 |
| Silo Web Harvester | APIで大量のOSINT収集を自動化し、既存の収集の仕組みに組み込む。スクリーンショット、ファイル、動画などの形式で集める。APIから使う機能で、画面から使う定期収集は Silo Collector が受け持つ | アドオン |
| 調べる・読む | ||
| Silo Gofer | 調べる対象(IPアドレス、ドメイン、URL、ファイルのハッシュ、メールアドレス、画像など)を1回入力すると、対象の種類に合った複数の調査サイトでまとめて検索し、結果をそれぞれのタブで開く。検索先の組み合わせは自分で作ることもできる | 標準 |
| Silo Translate | 閲覧中のページを、元の位置のまま翻訳して表示する。選んだ文章や入力した文章だけの翻訳もできる | 標準 |
| Silo Transcription and Translation | 動画・音声を文字に起こして翻訳し、テキスト、字幕ファイル、字幕付きの動画として出力する(80以上の言語) | アドオン |
| 保存・共有する | ||
| Silo Drive | 暗号化したクラウドのストレージ。個人用と共有用があり、集めた資料をチームで共有する。保存したファイルはファイル名とパスで検索できる。標準で個人用1GB、共有用10GBが付帯する | 標準 |
| 調査用のアカウント | ||
| SMS Inbox Enhanced | SMSによる認証が必要なサイトで使う、調査用の携帯電話番号とメールアカウント | アドオン |
Silo Gofer で調べる
Silo Gofer には、調べる対象の種類ごとに、検索先の組み合わせ(ワークフロー)が用意されています。たとえば、IPアドレスなら DNSlytics、ViewDNS、ARIN、ファイルのハッシュなら VirusTotal、Hybrid Analysis、AlienVault OTX、URLなら VirusTotal、URLQuery、WhereGoes です。調べる値を入力してワークフローを選ぶと、それぞれのサイトの検索結果が別々のタブで開きます。サイトごとに値を貼り付けて検索し直す必要がありません。検索はどれもSiloの出口ノードから行われ、組織のネットワークからは接続しません。Silo Gofer で行った検索は、セッションごとに自動で記録されます。設定画面の「Export Gofer Trail」から、使ったワークフロー、調べた値、開いたURLをファイル(JSON)に書き出せます。
フィッシングサイトのURLを「URL Information」で調べると、VirusTotal(Google Threat Intelligence)、unfurl、WhereGoes など5つのサイトの結果がタブで開く。この解析では、本物のNHKのウェブページに転送されたことが記録されている
Silo Nexus AI
調査を支援するAIアシスタントで、Silo Workspace のすべてのプランに標準で付帯しています。閲覧中のページや渡した資料について、分析、要約、背景の補足、信ぴょう性の評価、人物・組織などの抽出、翻訳、場所の推定を頼めます。
Active Annotations(注目点の自動注釈)
閲覧中のページから、注目すべき人物・組織・話題を自動で見つけて印を付け、次に調べる手がかりを示します。
Grounded Truth(回答の根拠の提示)
回答ごとに、根拠になったページのURLと、結論に至った推論の過程を示します。根拠を示すことで、事実と異なる回答(ハルシネーション)を減らします。
調査の役割とプロンプト
サイバー脅威インテリジェンス、金融犯罪、OSINT、トラスト&セーフティ、法執行、一般の分析の6つの役割に合わせて回答を調整します。よく使う指示はプロンプトとして登録でき、利用者が編集できます。組織の方針と監査は管理者が受け持ちます。
ファイルの分析
PDF、CSV、HTML、テキスト、Markdown、XML、RTFなどをアップロードして分析できます(1ファイル50MBまで)。Silo Drive のファイルも渡せます。
問い合わせの秘匿
問い合わせは、調査員と組織の情報から切り離してAIに送られ、AIの提供元には誰が依頼したかが渡りません。問い合わせ、取り込んだ内容、回答は、AIの提供元に保持されず、学習にも使われません。すべてのやり取りは、顧客が管理する鍵で暗号化した、改ざんできないログに残ります。
回答は、日本語で質問すれば日本語で返ります(画面のメニューは英語です)。次の2枚は、主な機能の「調査の例」でフィッシングサイトを調べたときのやり取りです。
利用できる回数は、1ユーザーあたり1日10回までです。追加の質問や、Active Annotations の注釈のクリックも1回と数えます。回数はUTCの0時(日本時間の午前9時)に戻ります。上限なしで使う場合は、アドオンを追加します。
動画で見る:Silo Nexus AI のデモ(英語・約1分)
Authentic8社が2026年5月に公開した動画です。ニュース記事を分析させ、要点と根拠を示すまでの流れを見られます。
統制・監査と提供形態
管理者は管理コンソールで、利用者がアクセスできるサイト、ファイルのダウンロード、クラウドと端末の間のデータの転送、使えるアプリや拡張機能、利用できる地域と出口ノードの種類を、ポリシーで決めます。ポリシーは組織の階層に沿って引き継がれます。ファイルを端末にダウンロードするときは、マルウェアを自動で検査し、見つかったファイルのダウンロードを止められます。
Event Manager
キーワードなどの条件に合うページの閲覧やフォームの送信を検知し、記録してメールで通知します。
監査ログ
閲覧したURL、ダウンロード、クリップボードの操作などを、顧客の暗号鍵で保護した、改ざんを検知できるログに記録します。記録の種類は、管理者の操作、認証、起動、ブロックしたURL、ダウンロード、印刷、拡張機能、Case Manager、Nexus AI の利用など20種類以上で、管理コンソールからCSVかJSONで取り出します(保存期間は90日)。ログはAPIでも取り出せ(APIはMulti-RegionとGlobalで使えます)、Splunkとの連携も用意されています。
提供形態と環境は次のとおりです。
| 形態 | クラウドサービス(SaaS)。ブラウザやアプリの実行、通信、データの保存は、Authentic8社のクラウドで行う |
|---|---|
| 接続方法 | 専用のクライアントアプリ(Windows、macOS)と、手元のブラウザから使うウェブクライアントの2通り。どちらも端末では処理を行わない |
| 認証 | SAMLによるシングルサインオン |
| 第三者認証・準拠 | FedRAMP(Moderate)、SOC 2、ISO 27001、ISO 27701、CMMC、CSA STAR、PCI DSS、HIPAA、GDPR、DFARS |
| トレーニング・情報 | 利用者向けのトレーニングサイト(Siloの使い方、管理者向け、OSINTの作法、修了の認定が付く講座)と、製品の更新情報をまとめた Research Hub を、Siloの中から利用できる |
導入のご相談やお見積もり、トライアルのご希望は、お気軽にお問合せください。
FAQ
- VPNや匿名ブラウザとは何が違いますか?
- トライアルは可能ですか?
- 追加費用がかかる機能はありますか?
- 他の脅威インテリジェンス製品と併用できますか?
- 収集した情報は証拠として保全できますか?
- 中国やロシアのサイトにアクセスできますか?
































































