概要
Reversing Labsの製品群「Spectra」シリーズは、組織のサイバーセキュリティを強化するための包括的なファイル分析および脅威インテリジェンスソリューションを提供します。これらの製品は、高速かつ大規模なファイル解析、詳細なマルウェア分析、信頼性の高い脅威インテリジェンス、そしてソフトウェアサプライチェーン全体のリスク管理を可能にします。
これらのツールは、SOC(セキュリティオペレーションセンター)やIT運用チームが未知の脅威を迅速に特定し、リスクを抑えることを支援します。ReversingLabsの技術は、既存のセキュリティエコシステムとの統合も容易であり、リアルタイムでの異常検出と事後分析を一貫して提供します。
この製品群は、核となるテクノロジーであるSpectra Coreにより、さまざまな分析や検出の基盤を支えており、また単なるファイル解析のみならず、ソフトウェアの信頼性評価、脅威ハンティング、レピュテーションデータを活用した予防策の策定にも寄与します。
主に、以下4種類の製品群が提供されています。
- Spectra Detect
- 高速かつ大容量のファイル分析を実現するツール。大量のファイルを迅速に解析することで、脅威を早期に発見します。
- Spectra Analyze
- マルウェアの詳細な分析とハンティング機能を提供し、SOC(セキュリティオペレーションセンター)向けのサポートを行います。
- Spectra Intelligence
- 信頼性のあるレピュテーションデータとインテリジェンス情報を提供し、脅威の予防や迅速な対応を可能にします。
- Spectra Assure
- ソフトウェアサプライチェーンセキュリティに特化し、供給チェーンにおける潜在的な脆弱性の検出・管理を支援します。
製品特徴
Spectra Detect
Spectra Detectは、企業が直面する膨大な数のファイルやオブジェクトをリアルタイムで高速解析するためのプラットフォームです。AI駆動のバイナリ解析とスケーラブルなアーキテクチャにより、1日で数百万のファイルを処理し、複雑な脅威も見逃しません。
主な特徴
- 大規模なファイル取り込み
- メール、Web、エンドポイント、クラウドなどから自動的にファイルを収集・解析。
- リアルタイムでの深層分析
- 難読化されたコードをデオブスクエーションし、4800種類以上のファイルタイプを即時解析。
- 柔軟な統合とAPIサポート
- SIEM、SOAR、EDRなどのセキュリティプラットフォームとシームレスに連携。
- スケーラブルなアーキテクチャ
- クラウドやオンプレミスに対応し、10万から1億件のファイルを効率的に処理可能。
メリット
- 脅威の検出を加速し、企業の運用を止めない迅速な解析を実現。
- APIによるワークフローの自動化でセキュリティ運用を強化。
- 広範なファイルカバレッジであらゆる脅威の見逃しを防止。
Spectra Analyze
Spectra Analyzeは、膨大なファイルやURLをリアルタイムで解析し、効率的に脅威を特定するセキュリティ分析プラットフォームです。難読化されたコードの解除(デオブスクエーション)や高度なYARAルールを活用し、複雑なマルウェアの脅威を即座に可視化・分類します。SOCによる高精度かつスピーディな脅威対応を支援します。
主な特徴
- 高度なファイル解析
- 4800種類以上のファイル形式に対応し、400以上のフォーマットを解読。
- REST APIと統合コネクタ
- SIEM、SOAR、EDRなどと連携し、既存のワークフローに自動化を提供。
- リアルタイム関係グラフ
- ファイルやネットワークの関係を可視化し、インシデント対応を迅速化。
- プライバシー保護設計
- データのプライベートな保存と安全な検索・解析をサポート。
メリット
- 誤検知の削減と迅速なアラート対応により、SOCチームの負担を軽減。
- サンドボックス解析で詳細な動的・静的分析を実施。
- 拡張YARAハンティングで過去のデータから新たな脅威を発見。
Spectra Intelligence
Spectra Intelligenceは、世界最大級の脅威データベースを提供し、数十億件の良性ファイルとマルウェアの分析結果を基に正確かつ即時の脅威分類を実現するインテリジェンスプラットフォームです。最新のデータでセキュリティ運用を強化し、SOCチームが迅速に脅威へ対応できるよう支援します。
主な特徴
- 最大規模の脅威リポジトリ
- 40億件以上のファイルを蓄積し、業界トップクラスのデータカバレッジを誇る。
- 信頼できる評判データソース
- 15年以上の研究と開発に基づくファイルとネットワークのIOC (Indicators of Compromise) を収集・整理。
- クラウドソーシングに依存せず、精度の高い脅威インテリジェンスを提供。
- リアルタイムのインテリジェンス
- 常に最新の脅威データを処理し、新たな脅威が現れた瞬間からアラートを提供。
- セキュリティチームはゼロデイ攻撃への準備と対応が可能。
- 自動化と高速検索
- 高性能APIとREST APIで自動化されたレピュテーション検索を実施。
- 数百万件のクエリを高速処理し、プロアクティブな脅威ハンティングを支援。
メリット
- 誤検知の削減と高度な脅威分類で、SOCチームの負担を軽減。
- 脅威フィードのカスタマイズで、業界やターゲットに応じた情報を提供。
- 既存のセキュリティツールと統合し、インシデント対応を迅速化。
Spectra Assure
Spectra Assureは、ソフトウェアサプライチェーンに潜む脅威を検出し、開発・導入(購入)・運用の全プロセスにおいてリスク管理を支援するプラットフォームです。AI駆動の高度なバイナリ解析により、従来のスキャナーが見逃すリスクやマルウェアを特定します。
主な特徴
- ソフトウェアのリスクレベル評価と修復計画のロードマップ
- ソフトウェアのリスクレベルを評価し、カスタマイズされた修復計画を提案。
- 開発者の負担を軽減しながら、サプライチェーン全体のセキュリティを強化。
- 脅威と改ざんの検出
- 40億件のファイルを解析する世界最大規模の脅威データベースに基づき、脅威や改ざんを即時検出。
- ソフトウェアのビルド環境を保護し、不正な変更が展開前に発見されるよう支援。
- ミスによる機密情報漏えいの防止
- SaaS認証情報やSSHキーなど、ビルドに含まれる機密情報の漏えいを防止。
- 簡単な統合
- Docker、Jenkins、Python、Splunkなどのツールとシームレスに統合可能なAPIを提供。
- 企業のセキュリティと開発インフラに迅速な自動化を提供。
メリット
- リリース前の問題を早期発見
- ソフトウェアがリリースされる前に、脆弱性や改ざん、漏洩を発見し、早期の対応が可能。
- 遅延やコスト増を防ぎ、スムーズな開発を支援。
- ソフトウェア調達時のリスクを削減
- ソフトウェアを導入する前に、リスクを評価し、信頼性の高い製品を選択できる。
- 不要なツールや複雑なプロセスを削減し、コスト管理を改善。
- 運用中も継続的にリスクを監視
- デプロイ後も脅威や脆弱性を監視し、早期に対処することでサービスの安定性を確保。
- 規制対応や監査の準備も容易。
参考情報
ReversingLabs Help Center:各製品のクイックガイド、マニュアル、リリースノートなどが確認可能。