製品概要
GeoIP2は、IPアドレスに基づいてユーザーの地理的位置情報を提供します。企業がウェブトラフィックの分析、コンテンツのカスタマイズ、セキュリティ対策の強化などに利用することができます。
セキュリティ対策においては、IPアドレスに基づいて精密なコントロールを行うことで、未知の脅威に対抗し、組織のデジタル資産を保護することが可能になります。
以下は、セキュリティ対策における活用方法の例です。
- 地理的なアクセス制限
特定の地域からのアクセスを制限またはブロックすることで、ジオフェンシングポリシーを強化します。例えば、企業がそのサービスを提供しない国からのアクセスを自動的に拒否することができます。 - 不正アクセスの検出
ユーザーの通常のログインパターンと異なる地理的な位置からのアクセスがあった場合、警告します。これにより、アカウントの乗っ取りや不正利用を早期に発見し対処することが可能です。 - リスクベースの認証
ユーザーの通常の地理的範囲外からのアクセス試行がある場合に二要素認証などを要求することで、セキュリティを強化します。 - トラフィック分析
大量のアクセスが特定の地域から発生している場合、それを分析し、DoS攻撃やその他の悪意のある行為の兆候として識別することができます。 - 詐欺・不正の検出
クレジットカード決済時に、ユーザーのIPアドレスとクレジットカードの発行国が一致しない場合など、地理的な不一致を利用して詐欺を検出することができます。 - レギュレーションとコンプライアンスの遵守
特定の規制が適用される地域に基づいて、ユーザーのアクセスを制御し、データの流れを適切に管理します。例えば、EUのGDPRなど、地域に特有の規制に対応するために使用されます。
GeoIP2とGeoLite2の違い
有料のGeoIP2の他に、無料の IP ジオロケーションデータベースであるGeoLite2 データベースも提供されています。両者の大きな違いは以下のとおりです。
1. 精度とデータの範囲:
- GeoIP2: より高精度で詳細な情報を提供します。企業向けに設計されており、更新頻度も高いため、最新のデータが提供されます。
- GeoLite2: やや低い精度のデータを提供します。データはGeoIP2ほど頻繁には更新されませんが、個人使用や非商用プロジェクトに適しています。
MaxMind社のWebページで、正確性の違いを確認することが可能です。
2. 提供される情報の内容:
- GeoIP2: 国、州/地域、都市、郵便番号、緯度・経度、ISPや組織名など、より広範な情報が提供されます。また、接続タイプ(ケーブル/DSL、携帯電話、企業、衛星)やユーザータイプ(商用、住宅など)の情報も含まれることがあります。
- GeoLite2: 基本的な国、州/地域、都市、郵便番号、緯度・経度の情報を提供しますが、GeoIP2ほどの詳細な情報は含まれません。
3.使用目的:
- GeoIP2: 商用目的での使用に適しており、セキュリティ分析、マーケティング、ロケーションベースのコンテンツ最適化など、高い精度を要求されるアプリケーションに最適です。
- GeoLite2: 開発者や小規模プロジェクトでの使用に適しており、商用製品に比べてコストを抑えたい場合に有用です。
ライセンス一覧・価格
- GeoIP2 Commercial:GeoIP2データベースを自社の製品やサービスに組み込んで提供することが可能なライセンス
- GeoIP2 Anonymous IP Database:Tor、VPN、レジデンシャルプロキシなどの匿名IPタイプを検出することが可能なライセンス
- GeoIP2 Enterprise Database:Anonymous IP Database が含むデータベース以外のすべてのデータベースを提供するライセンス。
- GeoIP Web Services:オンライン API で利用することのできるライセンスで、インターネットを介してリアルタイムで GeoIP2 データベースをクエリすることができます。ローカルにデータベースをホストすることなく、IP アドレスに関する地理情報などのデータを取得できます。
- minFraud Web Services:オンライン詐欺を検出・防止するための API セット。トランザクションデータを分析して詐欺のリスクを評価します。機械学習、ルールベースの分析、GeoIP2 データベースを含むさまざまなソースからのデータを組み合わせて、リスクスコアやその他のインサイトを提供します。
以下では、「GeoIP2 Enterprise Database」「GeoIP Web Services」「minFraud Web Services」について説明します。
GeoIP2 Enterprise Database
GeoIP2 Enterprise DatabaseはAnonymous IP Database が含むデータベース以外のすべてのデータベースを提供しますが、データベース単位で個々に契約することも可能です。具体的には以下のデータベースごとに契約することが可能です。以下の価格は2024年7月時点のメーカーの定価で、実際にはこれに120〜180円(為替レートによる)をかけた価格になります。
データベースの種類 | 含まれる情報 | 月契約 | 年契約 |
---|---|---|---|
GeoIP Country Database | 大陸名、国名など | $34.00 | $374 |
GeoIP City Database | 大陸名、国名、都市名、郵便番号、緯度/経度、精度半径、タイムゾーンなど | $134.00 | $1,474 |
GeoIP City Database by Continent | 同上 | $54.00 | $594 |
GeoIP ISP Database | ISP名、組織名、AN番号(ASN)、組織名 | $44.00 | $484 |
GeoIP Domain Name Database | セカンドレベルドメイン | $34.00 | $374 |
GeoIP Connection Type Database | 接続タイプ(企業、ケーブル/DSL、携帯電話、ダイヤルアップ) | $124.00 | $1,364 |
中でも、GeoIP Country Database と GeoIP City Database の違いは以下の通りです。
機能 | GeoIP Country Database | GeoIP City Database |
---|---|---|
IPv4 / IPv6 への対応 | ✔ | ✔ |
大陸名 | ✔ | ✔ |
国名 | ✔ | ✔ |
EU 国名 | ✔ | ✔ |
登録国名 | ✔ | ✔ |
EU 登録国名 | ✔ | ✔ |
代表国 | ✔ | ✔ |
州、県など | ✔ | |
都市名 | ✔ | |
郵便番号 | ✔ | |
緯度/経度および精度半径 (km) | ✔ | |
タイムゾーン | ✔ | |
メトロコード(米国のみ) | ✔ | |
正確性 | 国レベルで 99.8% の正確性 | ・国レベルで 99.8% ・州レベルで 80%、米国の都市レベルで 50 キロメートル以内で 68% の正確性 |
ローカライズ対応言語 | 簡体字中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語、ブラジルポルトガル語、ロシア語 | 簡体字中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語、ブラジルポルトガル語、ロシア語 |
各データベースの詳細な違いは、以下を参照してください。
各データベースの比較表
GeoIP Web Services
GeoIP2 Enterprise Database に含まれるほとんど全てをAPIでクエリすることが可能なライセンス。
GeoIP2 Enterprise Database およびそれらに含まれる各データベース(GeoIP Country Database、GeoIP City Databaseなど)は商用利用することができませんが、GeoIP Web Servicesでは可能です。
以下の価格は2024年7月時点のメーカーの定価で、実際にはこれに120〜180円(為替レートによる)をかけた価格になります。
価格・機能 | GeoIP Country | GeoIP City Plus | GeoIP Insights |
---|---|---|---|
価格(10,000クエリあたり) | $1 | $3 | $20 |
Continent | |||
Country | |||
EU Country | |||
Registered Country | |||
EU Registered Country | |||
Represented Country | |||
Localized Names | |||
Network | |||
Subdivisions | |||
City | |||
Postal Code | |||
Approximate Latitude/Longitude and Accuracy Radius (km) | |||
Time Zone | |||
Connection Type | |||
Metro Code (US Only) | |||
Mobile Country Code / Mobile Network Code | |||
ISP / Organization | |||
AS Number & Organization | |||
Domain | |||
Anonymizer Type | |||
Static IP Score | |||
User Count | |||
User Type | |||
Confidence Factors | |||
Average Income (US Only) | |||
Population Density (US Only) |
minFraud Web Services
以下の minFraud Web Services の価格は2024年7月時点のメーカーの定価で、実際にはこれに120〜180円(為替レートによる)をかけた価格になります。
価格・機能 | minFraud Score | minFraud Insights | minFraud Factors |
---|---|---|---|
価格(10,000クエリあたり) | $50 | $150 | $200 |
riskScore | |||
IP Risk Score | |||
Custom rules | |||
Custom inputs | |||
IP Risk Reasons | |||
GeoIP2 Insights web service | |||
Proxy and anonymous IP | |||
IP address checks | |||
Confidence factors | |||
Email checks | |||
Financial institution checks | |||
Address & phone checks | |||
High risk shipping address | |||
Device ID | |||
Risk factor scores |
FAQ
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