ShadowDragonとは
ShadowDragonは、米国ShadowDragon社のOSINT調査プラットフォームです。ユーザー名やメールアドレスといった1つの手がかりから、SNSやWeb上の公開情報をたどり、人物、アカウント、組織のつながりを洗い出します。
製品の中心はWebアプリの「Horizon Platform」で、初動の人物確認、関係の可視化、継続的な監視の3つの機能を備えています。法執行機関、官公庁、企業のセキュリティ部門、不正対策の担当部署などの調査を想定した製品です。
扱うのは公開されている情報だけです。非公開のメッセージや、プライバシー設定で制限された情報は収集しません。また、調査者の身元や調査の意図を相手に知られずに検索できます。ShadowDragon社は購入者を審査し、正当な調査や保護の目的がある組織にだけ提供しています。
構成要素と用途
Horizon Platformは3つの機能からなり、SNSの調査を担うSocialNetがそれらを支えています。
| 構成要素 | 役割 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Horizon Identity | ユーザー名、メールアドレス、別名、電話番号のいずれか1つから、関連するアカウントや記録を洗い出し、同じ人物のものかどうかを確かめる | 調査の初動。手がかりが少ない段階で、追うべき対象と除外すべき対象を見分ける |
| Horizon Investigate | 人物、アカウント、インフラなどのつながりをグラフで表示するリンク分析 | 関係者のネットワークを把握する。分析結果を報告書用に書き出す |
| Horizon Monitor | 人物、キーワード、トピックを指定して公開情報を継続的に監視し、条件に合う変化を通知する | 同じ検索を繰り返さずに、対象の動きを追い続ける |
| SocialNet | SNSの公開情報から別名を本人に結び付け、アカウント間のつながりや、投稿から推定される位置を割り出す。Horizon Platformを支えるエンジンで、APIとしても提供される | SNSを起点とする調査全般 |
主な用途
- 犯罪捜査:別名の特定、犯罪ネットワークの解明、脅威の評価
- 官公庁の調査:公共の安全や規制の監督に関わる調査・分析
- 脅威インテリジェンス:攻撃の早い段階での脅威の発見と調査
- 企業セキュリティ・内部脅威の調査:社内のリスク、外部からの脅威、オンライン上の露出の把握
- 不正対策:組織的な不正の解明、本人確認
Maltegoとの違いと選び方
ShadowDragonとMaltegoは、どちらも公開情報を集めてつながりを可視化する調査ツールで、ブラウザから使えます。違いは、AIの使い方と、導入形態、調査に使うデータの集め方にあります。弊社では、Maltegoについては販売に加えて導入支援やトレーニングも行っています。
AIの使い方の違い
ShadowDragonは、調査や判断にAIや機械学習を使わない方針をとっています。結果がどの情報源から得られたのかを調査者がたどれ、調査を後から同じ手順で再現できることを重視した設計です。一方で、AIによる補助はないため、集めた結果の読み解きや整理、報告書づくりは調査者自身が行います。
Maltegoは、Maltego Graphのブラウザ版とMaltego SearchにAI Assistantを備えています。グラフ上のデータを読み取って調査の概要を要約する、重複を整理する、タグを付ける、翻訳する、報告書にまとめる、次に調べるべきことを提案する、といった作業を日本語のチャットで頼めます。AI Assistantは、グラフ上に集めたデータを読み解き、整える役割を担います。
エンティティが数百、数千と増えた調査や、ほかの担当者から引き継いだ調査では、全体をつかみ、整理し、報告にまとめる作業の負担をAIで減らせます。AI Assistantは管理者が有効にして使う機能のため、組織の方針に合わせて使うかどうかを選べます。
導入形態とデータの調達方法の違い
ShadowDragonは、ShadowDragon社が集める公開情報を、クラウドのWebアプリの中で使う形です。Maltegoは、調べたい内容に合わせてデータソースを選んで足していく形です。SNSやWeb上の情報に加え、whois、DNS、マルウェアの情報、漏えいデータなどを同じグラフ上で関連付けられ、社内のデータベースやファイルなど、独自のデータを取り込むこともできます。クラウドで使うほか、オンプレミスでの運用にも対応しています。
| 項目 | ShadowDragon | Maltego |
|---|---|---|
| 導入形態 | クラウドのWebアプリ(Horizon Platform) | ブラウザ版とデスクトップ版があり、クラウドで使うほか、オンプレミスでも運用できる。外部データの取得を除き、インターネットから切り離した環境でも使える |
| データの調達 | ShadowDragon社が集める公開情報を使う | 必要なデータソースを選んで追加する。Maltegoの契約に含まれる利用枠で使う方法と、各社と個別に契約したデータを使う方法がある。社内のデータなど、独自のデータも取り込める |
| AIによる調査支援 | 使わない方針 | AI Assistant(Maltego Graphのブラウザ版、Maltego Search) |
| 継続的な監視 | Horizon Monitor | Maltego Monitor(X、YouTube、ニュース、RSSなど)Enterpriseプランで利用可 |
| 調査者の秘匿 | 調査者の身元や意図を知られずに検索できる | Maltegoの標準の検索機能は、Maltego社のサーバーを経由して問い合わせるため、調べた先に調査者の端末は見えない。Maltego Evidenceでは、身元を隠したままSNSの情報を収集し、裁判で使える形式で保存できるMaltego EvidenceはEnterpriseプランで利用可 |
人物の調査は、Maltegoでも始められます。Maltego Searchは、1つの情報から対象を検索し、人物のプロファイルを短時間で作れる検索ツールで、PC、タブレット、スマートフォンのブラウザで使えます。調べた結果はMaltego Graphに広げ、ほかのデータと合わせてつながりを分析できます。SNSの継続的な監視にはMaltego Monitor、SNSの証跡の保存にはMaltego Evidenceを組み合わせられます。漏えいしたアカウント情報の調査には、Maltegoの中でSpyCloudのデータを使えます。


